役所、年金等の手続き・届出に関するFAQ
身内が亡くなったあとの手続き
大切なご家族を亡くされ、深い悲しみの中におられることと存じます。心よりお悔やみ申し上げます。
故人を偲ぶ間もなく、ご遺族には様々な手続きが待っています。しかし、ご安心ください。一つひとつの手続きを、順を追って進めていけば大丈夫です。
このガイドは、皆さまが漏れなく手続きを進められるよう、FAQ形式で解説するものです。少しでもご遺族の負担を軽減できれば幸いです。
手続きには期限が設けられているものが多くあります。まずは全体の流れを把握しましょう。
死亡後の手続きタイムライン(モデルケース)
| 時期 | 主な手続き |
|---|---|
| 死亡後すぐ (〜7日以内) |
・死亡診断書(死体検案書)の受け取り ・死亡届の提出 ・火葬許可証の受け取り |
| 落ち着いたら (〜14日以内) |
・世帯主変更届(必要な場合) ・国民健康保険、後期高齢者医療制度の資格喪失届 ・介護保険の資格喪失届 ・年金受給権者死亡届の提出 |
| 速やかに | ・健康保険(会社員等)の資格喪失届 ・公共料金(電気・ガス・水道など)の名義変更・解約 ・携帯電話、インターネットの契約解除 ・運転免許証、パスポートの返納 ・金融機関への連絡(口座凍結) |
| 相続手続きと並行して | ・遺族年金、死亡一時金、未支給年金の請求 ・葬祭費・埋葬料の請求 ・生命保険金の請求 ・金融機関の相続手続き(口座解約・名義変更) ・不動産、自動車などの名義変更 |
| 時期が決まっているもの | ・相続放棄・限定承認(相続開始を知った日から3ヶ月以内) ・所得税の準確定申告(相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内) ・相続税の申告・納付(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内) |
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡した場合は3ヶ月以内)に提出する必要があります。
【提出先】
以下のいずれかの市区町村役場に提出します。
- 故人の本籍地
- 届出人の所在地(現住所)
- 死亡した場所
多くの役所では、夜間や休日でも宿直室などで受け付けています。
死亡届の提出には、主に以下のものが必要です。
●死亡届
届出用紙の右半分が「死亡診断書(または死体検案書)」になっています。医師に記入・署名・押印してもらったものを持参します。用紙は病院や役所で受け取れます。
●届出人の印鑑(認印で可)
届書に押印します。スタンプ印は不可です。
●届出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
※なくても届出は可能です。
死亡診断書は、医師が死亡を確認した直後に発行します。
●病院で亡くなった場合
臨終に立ち会った医師が発行します。
●自宅でかかりつけ医に看取られた場合
そのかかりつけ医が発行します。
●突然死や事故死の場合
監察医や警察の指定する医師が検案を行い、「死体検案書」を発行します。これは死亡診断書と同じ効力を持ちます。
はい、必ず複数枚コピーを取っておきましょう。
死亡診断書(死体検案書)の原本は役所に提出すると返却されません。しかし、その後の生命保険金の請求や遺族年金の手続きなど、様々な場面で提出を求められます。
役所に提出する前に、最低でも5〜10枚程度はコピーしておくことを強くお勧めします。もしコピーを忘れて提出してしまった場合は、役所で「死亡届の記載事項証明書」を発行してもらうことで代用できますが、手数料がかかります。
はい、ほとんどの場合、葬儀社が代行してくれます。
葬儀を依頼すると、一連の手続きの一環として、死亡届の提出や火葬許可証の受け取りなどを代行してくれるのが一般的です。ご遺族の負担を大きく軽減できるため、葬儀社に依頼する際は代行の可否や費用について確認しておくとよいでしょう。
死亡届が受理されると、その情報が関連部署に連携され、以下の手続きが自動的に行われます。
●住民票の消除
故人の住民票が職権で消除されます(「死亡による除票」となります)。
●戸籍への記載
故人の戸籍に死亡の事実が記載されます(「除籍」となります)。
これにより、故人の印鑑登録も自動的に廃止されます。
死亡届を提出した市区町村役場で、死亡届が受理された直後に「火葬許可証」が交付されます。
この火葬許可証がないと火葬を行うことができません。火葬当日に、必ず火葬場に提出してください。
火葬が終わると、火葬執行済みの印が押されて返却され、これが「埋葬許可証」となります。
「埋葬許可証」とは、ご遺骨をお墓や納骨堂に納める際に必要な書類です。
火葬場で火葬執行済みの印が押された「火葬許可証」が、そのまま「埋葬許可証」となります。納骨の際にお墓の管理者(お寺や霊園など)に提出しますので、紛失しないよう大切に保管してください。
はい、原則として必要です。
ただし、以下のケースでは届出は不要です。
●残された世帯員が1人だけになった場合
●残された世帯員が、新しい世帯主が誰になるか明らかな場合
(例:夫婦と未成年の子の3人世帯で、夫が亡くなった場合、妻が自動的に世帯主となる)
判断に迷う場合は、お住まいの市区町村役場にご確認ください。
世帯主の死亡日から14日以内に、新しく世帯主になる人、または同じ世帯の人が、お住まいの市区町村役場に届け出ます。
故人が国民健康保険(国保)の加入者だった場合、資格喪失の手続きと葬祭費の請求が必要です。
●手続きの場所:お住まいの市区町村役場の国民健康保険担当課
●手続きの期限:死亡日から14日以内
●必要なもの
- 故人の国民健康保険証
- 届出人の本人確認書類
- 届出人の印鑑
- 死亡を証明する書類(死亡診断書のコピーなど)
※役所内で確認できる場合は不要なこともあります。
●葬祭費の請求
国保の加入者が亡くなった場合、葬儀を行った人(喪主)に「葬祭費」が支給されます。資格喪失手続きと同時に申請できます。
●必要なもの
- 申請書(窓口にあります)
- 喪主であることが確認できる書類(会葬礼状、葬儀の領収書など)
- 喪主名義の振込先口座がわかるもの
75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度でも、国民健康保険とほぼ同じ手続きが必要です。
●手続きの場所:お住まいの市区町村役場の後期高齢者医療担当課
●手続きの期限:死亡日から14日以内としている自治体が多い
●必要なもの
- 故人の後期高齢者医療被保険者証
- 届出人の本人確認書類、印鑑など
●葬祭費の請求
こちらも国保と同様に、葬儀を行った人(喪主)に「葬祭費」が支給されます。忘れずに申請しましょう。
故人が会社員や公務員で、勤務先の健康保険(組合健保、協会けんぽ、共済組合など)に加入していた場合は、勤務先を通じて資格喪失の手続きを行います。
ご遺族は、故人の健康保険証と、もしあれば扶養家族の分の健康保険証も勤務先に返却します。
また、「埋葬料(費)」が支給されます。
●埋葬料
故人に生計を維持されていた遺族に支給されます(一律5万円が基本)。
●埋葬費
埋葬料を受け取る遺族がいない場合、実際に埋葬を行った人に、かかった費用(上限5万円)が支給されます。
申請先は故人が加入していた健康保険組合や年金事務所になります。多くの場合、勤務先が手続きを案内してくれます。
健康保険証の返却は、資格を喪失した翌日(例えば退職日の翌日)から5日以内に行う必要があります。これは健康保険法施行規則に定められた期限です。
返却先は以下の通りです。
●一般の被保険者の場合は、勤務先の会社(人事担当部署など)へ返却します。
●任意継続被保険者の場合は、加入している健康保険組合等へ直接返却します(郵送も可)。
返却が遅れると、未使用の保険証を使ってしまった場合に医療費の返納請求が発生することや、次の保険加入手続きに支障が出るため、必ず期限内に返却してください。郵送で返却する場合は、事前に担当者に連絡し、送付先を確認することが推奨されています。
はい、必ず必要です。
年金は死亡した月分まで受け取る権利がありますが、手続きをしないと翌月以降も振り込まれてしまい、後で返還手続きが必要になるなど、かえって手間が増えてしまいます。
「年金受給権者死亡届」を提出して、受給を停止します。
※日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則として死亡届の提出は不要になりますが、未支給年金の請求など別途手続きが必要なため、年金事務所への連絡は必要です。
【提出先】
●国民年金のみ受給していた方:市区町村役場の年金担当課
●厚生年金・共済年金を受給していた方:お近くの年金事務所または街角の年金相談センター
【提出期限】
●国民年金:死亡日から14日以内
●厚生年金:死亡日から10日以内
と定められていますが、他の手続きと合わせて速やかに行いましょう。
【必要なもの】
- 年金受給権者死亡届(提出先にあります)
- 故人の年金証書
- 死亡の事実を証明する書類(戸籍抄本、死亡診断書のコピーなど)
死亡後の年金喪失手続きにおいて、国民年金を受給していた場合と厚生年金を受給していた場合は以下のような違いがあります。
1. 手続期限
●国民年金受給者死亡の場合:死亡を知ってから14日以内に「受給権者死亡届(報告書)」を提出する必要があります。
●厚生年金受給者死亡の場合:10日以内に同様の届出が求められ、また場合によって追加の書類提出が必要になることがあります。
2. 遺族年金の種類と受給資格
●国民年金だけの受給者が亡くなった場合
その遺族は「遺族基礎年金」を請求できます。これは主に子のいる配偶者や子が受給対象で、子のいない配偶者は対象外です。
●厚生年金受給者が亡くなった場合
遺族は「遺族厚生年金」と「遺族基礎年金」の両方を受給できることがあります。遺族厚生年金は遺族基礎年金よりも受給者範囲が広く、妻の年齢制限もありません。さらに、手続きでは遺族厚生年金を受給するための追加条件や書類が必要になる場合があります。
3. 手続きの実際
どちらの場合も「受給権者死亡届」の提出が必要で、年金支給停止の手続きが行われます。未支給年金の処理や遺族年金の申請も含まれます。
厚生年金受給者の死亡の場合は厚労省や日本年金機構からの案内に従い、遺族が所定の申請を行う必要があり、国民年金のみの場合よりも手続きの範囲がやや広くなります。
【まとめ】
国民年金のみの受給者の場合は主に遺族基礎年金の請求と14日以内の届出が基本ですが、厚生年金の受給者の場合は遺族厚生年金の請求も可能で、手続き期限は10日以内とやや厳しく、提出書類も増える場合があります。
この違いを踏まえて、死亡後の年金喪失に関する手続きを速やかに行うことが重要です。必要書類や具体的な申請方法については、お住まいの地域の年金事務所や日本年金機構の案内を確認してください。
故人が公務員だった場合の年金手続きは、通常の年金受給者の場合に加え、公務員の共済組合を通じて「公務遺族年金」の請求手続きを行う必要があります。具体的には以下の流れとなります。
【連絡先】
故人が所属していた市町村役場や一部事務組合の共済事務担当部署、または共済組合年金課に連絡します。例:東京都職員共済組合の場合は年金保険部年金課です。
【提出書類】
「公務遺族年金決定請求書」など必要な請求書に記入し、添付書類を揃えて共済組合に提出します。未支給年金がある場合は「未支給年金請求書」も必要になります。
【死亡届の提出】
年金受給者の死亡届の提出が必須で、これが年金受給権の消滅の手続きとなります。
【審査期間】
提出書類の審査には数か月(おおよそ3〜4か月程度)かかることが多いです。
【未支給年金の受取】
亡くなった方の亡くなった月分までの年金は、生計を同一にしていた遺族が受け取ることができます。
【遺族年金の受給】
一定の遺族(配偶者・子・父母など)が条件を満たせば、公務員向けの遺族厚生年金(公務遺族年金)を受給可能です。
なお、公務員の共済組合は、それぞれ所属によって連絡先や手続き場所が異なりますので、故人が所属していた自治体や職場の共済組合の案内に従うことが重要です。
遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入している(または加入していた)方が亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた配偶者や子どもなどの遺族に支給される年金です。遺族年金には2種類あります。
1. 遺族基礎年金
国民年金の被保険者が亡くなった時に支給される年金で、受給対象は主に「子のいる配偶者」または「子」です(子の年齢は18歳到達年度末または20歳未満で障害等級1級または2級の障害がある場合など)。生計を維持されていた遺族が対象で、子のいない配偶者は受給できません。
2. 遺族厚生年金
厚生年金の被保険者が亡くなった時に支給される年金で、遺族基礎年金の対象に加え、子がいなくても配偶者が受給できる場合があります。会社員や公務員など厚生年金加入者が対象です。支給額は亡くなった方の報酬比例部分に基づき計算され、遺族の範囲や条件により異なります。
遺族年金は亡くなった故人の遺族の生活を支えるための公的年金で、遺族基礎年金と遺族厚生年金の二階建ての仕組みになっています。どちらの年金を受け取れるかは被保険者の加入状況と遺族の条件によって決まります。
受給条件は複雑ですが、主に以下のようになります。
| 種類 | 主な受給対象者 | 故人の要件(主なもの) |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | ・死亡した方に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」 ※子は18歳年度末まで(障害等級1級・2級の場合は20歳未満) | ・国民年金の被保険者である ・老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある など |
| 遺族厚生年金 | ・死亡した方に生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫、祖父母(優先順位あり) | ・厚生年金の被保険者である ・老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある など |
【遺族厚生年金の受給対象者の優先順位】
- 配偶者(妻は年齢制限なし、夫は55歳以上)
- 子
- 父母(55歳以上)
- 孫祖父母(55歳以上)
これはあくまで概要です。ご自身の状況で受給できるかどうかの詳細は、必ず年金事務所にご相談ください。
遺族年金の請求(申請)は、年金事務所または市区町村役場の窓口で行います。請求には、戸籍謄本や住民票、所得証明書など多くの書類が必要になります。
請求手続きは複雑なため、まずは年金事務所に電話などで相談し、必要な書類を確認してから窓口に行くことをお勧めします。請求期限は特にありませんが、権利が発生してから5年で時効になるため、早めに手続きしましょう。
死亡一時金とは、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間が3年以上ある方が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取らずに亡くなった場合に、遺族に支給される一時金です。
これは、納めた保険料が掛け捨てにならないようにするための制度です。遺族基礎年金を受け取れる遺族がいる場合は支給されません。
故人と生計を同じくしていた遺族が対象で、以下の優先順位で受け取ることができます。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
請求期限は、死亡日の翌日から2年以内です。
これは、故人が加入していた健康保険の種類によって申請先と名称が異なります。
| 故人が加入していた保険 | 給付の名称 | 申請先 | 申請する人 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険・後期高齢者医療制度 | 葬祭費 | 市区町村役場 | 葬儀を行った人(喪主) |
| 会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保など) | 埋葬料(費) | 勤務先、健康保険組合・年金事務所 | 生計を維持されていた遺族、または埋葬を行った人 |
| 共済組合 | 埋葬料(費) | 各共済組合 | 生計を維持されていた遺族、または埋葬を行った人 |
申請期限はいずれも死亡日の翌日から2年以内です。多くの場合、資格喪失手続きと同時に申請できますので、忘れずに手続きしましょう。
はい、必要です。
故人が65歳以上、または40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた場合、「介護保険資格喪失届」を提出する必要があります。
死亡日から14日以内に、お住まいの市区町村役場の介護保険担当課に提出します。提出の際には、故人の介護保険被保険者証を返却します。
もし、未払いの介護保険料があったり、逆に払い過ぎている保険料があったりする場合は、この時に精算手続きの案内があります。
故人の住民票に関する手続きは、基本的に不要です。
市区町村役場に死亡届を提出すると、その情報に基づいて自動的に住民票が消除(死亡による除票)されるため、ご遺族が改めて転出・転入のような手続きをする必要はありません。
法律上の返納義務はありませんが、返納することが強く推奨されます。
故人の運転免許証をそのままにしておくと、紛失して悪用されたり、個人情報が漏れたりするリスクがあります。手続きはそれほど難しくないので、失効手続き(返納)をしておくと安心です。
【手続きの場所】
最寄りの警察署または運転免許センター
【手続きができる人】
ご遺族(配偶者、子、父母など)
【必要なもの】
- 故人の運転免許証
- 死亡の事実が確認できる書類(除籍謄本、死亡診断書のコピーなど)
- 手続きに行く方の本人確認書類と印鑑
特に期限はありませんが、なるべく早めに手続きするとよいでしょう。
パスポートは名義人の死亡と同時に効力を失います(死亡届提出日ではなく死亡したその日から失効)。したがって、法的に使えなくなるのは死亡直後です。失効手続きとしては、「旅券返納申出書」(返納届)を提出し、亡くなった方のパスポートを返納する必要があります。これは「遅滞なく」行うことが旅券法で定められています。
悪用防止のために速やかに手続きを行うことをお勧めします。パスポートは国際的な身分証明書であるため、第三者の手に渡ると犯罪に利用される危険性があります。
【手続きの場所】
- 各都道府県のパスポートセンター(旅券事務所)
- 一部の市区町村役場内のパスポート窓口
- 海外で亡くなった場合は、最寄りの日本大使館や総領事館でも手続可能です。
【手続きができる人】
ご遺族など法定代理人
【必要なもの】
- 亡くなった方のパスポート(有効期間内のもの)
- 旅券返納申出書(窓口に用意あり)
- 死亡を証明する書類(戸籍謄本、死亡診断書、埋火葬許可証など)
- 手続きを行う方の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
ご遺族などからの連絡により、金融機関が死亡の事実を知った時点で、その口座は直ちに凍結されます。
口座が凍結されると、預金の引き出し、振り込み、引き落としなど、一切の取引ができなくなります。これは、相続財産を保全し、一部の相続人が勝手に口座を引き出すといったトラブルを防ぐための措置です。
公共料金などの引き落とし口座に指定していた場合は、名義変更や支払い方法の変更手続きが別途必要になります。
口座の凍結を解除し、預金を引き出す(相続する)ためには、正規の相続手続きが必要になります。この手続きは、一般的に「名義変更(相続人への)」または「解約(払戻し)」と呼ばれます。
必要な書類は金融機関や相続の状況によって異なりますが、一般的に以下の書類が求められます。
【主な必要書類】
- 金融機関所定の払戻請求書
- 遺言書(ある場合)
- 遺産分割協議書(遺言書がなく、相続人が複数いる場合)
- 故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 故人の預金通帳・キャッシュカード・届出印
- 手続きをする方の実印と本人確認書類
相続手続きは非常に専門的で、時間もかかります。まずは故人が口座を持っていた金融機関の窓口で「相続手続きの相談をしたい」と伝え、具体的な必要書類のリストをもらうことから始めましょう。
故人のクレジットカードは、速やかに解約手続きを行う必要があります。放置すると、年会費が発生し続けたり、不正利用のリスクにさらされたりする可能性があります。
【手続きの流れ】
1. カード会社への連絡
カード裏面に記載されているカスタマーセンターやインフォメーションデスクに電話し、契約者が死亡したことを伝えます。
2. 必要書類の提出
カード会社から所定の届出用紙が送られてくるので、必要事項を記入します。一般的に、以下の書類の提出を求められます。
- カード会社所定の届出書
- 故人の死亡が確認できる書類(戸籍謄本、除籍謄本、死亡診断書のコピーなど)
- 手続きを行う相続人の本人確認書類
- 故人のクレジットカード(ハサミで切って返送を求められることが多いです)
3. 手続きの完了
書類が受理されると、解約手続きが完了します。
【注意点】
●未払いの利用残高
故人の利用残高は相続財産の一部となり、相続人が支払う義務を負います。カード会社に連絡した際に、残高や支払い方法について確認しましょう。
●貯まっていたポイント
カード会社の規約により、会員本人の死亡によってポイントは失効するのが一般的です。
●公共料金などの引き落とし
カード払いにしていた料金は、支払い方法の変更手続きが別途必要です。
携帯電話やスマートフォンも、解約または相続人への承継(名義変更)の手続きが必要です。
●手続きの場所:各携帯電話会社のショップ(店舗)
●手続きができる人:原則として法定相続人
●手続きの選択肢
- 解約:契約を終了させます。
- 承継:相続人が契約を引き継ぎ、同じ電話番号を使い続けることができます。
●必要なもの(一般的)
- 故人の死亡が確認できる書類(戸籍謄本、除籍謄本など)
- 来店する相続人の本人確認書類(運転免許証など)
- 故人との続柄がわかる書類(戸籍謄本など)
- 故人のSIMカード、スマートフォン本体(店舗で確認を求められる場合があります)
未払いの利用料金や端末の分割払金が残っている場合は、相続人が支払うことになります。
まずは契約先の携帯電話会社に連絡し、手続きの詳細を確認しましょう。
インターネットのプロバイダ契約や光回線、固定電話(NTTなど)も解約または承継の手続きが必要です。基本的な流れは携帯電話の場合と同様です。
【手続きの流れ】
1. 契約会社への連絡
各社のカスタマーセンターに電話し、契約者の死亡を伝えます。契約内容の確認のため、契約者名、住所、電話番号、お客様番号などを準備しておくとスムーズです。
2. 解約または承継の選択
今後の回線を利用しない場合は「解約」、家族が引き続き利用する場合は「承継(名義変更)」の手続きをします。
3. 書類の提出
各社の案内に従い、ウェブまたは郵送で手続きを行います。死亡の事実がわかる書類などが必要になります。
4. レンタル機器の返却
モデムやルーターなどをレンタルしていた場合は、案内に従って返却します。
電気、ガス、水道といったライフラインも手続きが必須です。その住居に誰も住まなくなるのか、家族が住み続けるのかによって手続きが変わります。
【手続きの選択肢】
●家族が引き続き住む場合
各電力会社、ガス会社、市区町村の水道局へ連絡し、契約者名義を変更します。
●誰も住まなくなる(空き家になる)場合
各電力会社、ガス会社、市区町村の水道局へ連絡し、解約(使用停止)します。
【手続きのポイント】
●お客様番号の確認
毎月の「検針票(使用量のお知らせ)」に契約者名やお客様番号が記載されています。これを手元に準備して連絡すると手続きが迅速に進みます。
●連絡のタイミング
解約の場合は、退去日が決まったら早めに連絡しましょう。ガスの閉栓など、作業員の立ち会いが必要な場合があります。
●支払い方法
故人の口座からの引き落としになっている場合、口座凍結後は引き落としができなくなります。名義変更と合わせて、支払い方法(口座振替やクレジットカード払い)の変更も行いましょう。
世帯主(NHK契約者)が亡くなった場合のNHK放送受信契約の手続きは、今後その家でテレビ等の受信機を利用するかどうかによって「名義変更」または「解約」の手続きが必要です。
手順とポイントは以下の通りです。
1. 必ずNHKに「契約者死亡」を連絡する
まずNHKふれあいセンター(フリーダイヤル:0120-151515 など)に電話し、契約者が死亡した旨を伝えます。契約者の氏名、住所、生年月日、死亡日、受信契約番号(通知書等で確認できる場合)などを用意すると手続きがスムーズです。
2. 【名義変更】継続してテレビ等を利用する場合
今後も居住しテレビ等を設置し続ける場合は、名義変更の手続きを行います。インターネット(NHKの「放送受信契約氏名変更のお手続き」ページ)でも、電話でも手続き可能です。必要書類として、死亡の事実がわかる書類(死亡証明書や戸籍謄本)、新しい契約者の身分証明書などが求められます。
3. 【解約】今後テレビを利用しない場合
宅内にテレビ等を置かない場合や空き家になる場合は解約手続きが必要です。NHKに電話連絡後、「放送受信契約解約届」など必要書類を郵送で提出します。一人暮らしの死亡や家を空にする場合、死亡の証明書と「一人暮らしであったことの証明」が必要になることがあります。死亡後の未使用期間に自動引き落としが続いていた場合、過払い分は返金されますが、還付金の受領は相続放棄手続きに影響することがあるため注意。
4. 注意点
- 解約や名義変更をしないまま放置すると、受信料請求が相続人に届いたり、後日トラブルになることがあります。
- 死亡した契約者の未払い受信料は、原則として相続人に相続されます。ただし、5年を超える分は消滅時効を主張できる場合があります。
- 相続放棄すれば、受信料支払い義務も消滅しますが、遺産の全放棄になるため事前に熟慮が必要です。
「準確定申告」とは、亡くなった方の、その年の1月1日から死亡日までの所得に対する所得税の確定申告のことです。
通常の確定申告は、本人が前年1年間の所得について翌年2月16日〜3月15日に行いますが、年の中途で亡くなった場合は、相続人が代わって申告と納税(または還付)の手続きを行います。これを「準確定申告」と呼びます。
【申告する人】
相続人全員です。相続人が複数いる場合は、原則として連名で申告書を提出します。
【申告・納税の期限】
相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内です。通常の確定申告と時期が全く異なるので注意が必要です。
【申告先】
故人の死亡当時の住所地を管轄する税務署です。
準確定申告には、通常の確定申告書と同じものを使用しますが、表題に「準」と書き加えます。主な必要書類は以下の通りです。
- 確定申告書
- 準確定申告書の付表(各相続人の氏名、住所、相続分などを記載)
- 故人の所得の証明する書類(給与所得の源泉徴収票、年金の源泉徴収票、事業所得の帳簿など)
- 各種控除を証明する書類(生命保険料や医療費の領収書、社会保険料の支払証明書など)
- 相続人全員のマイナンバー
故人が事業を営んでいた場合など、申告内容が複雑になる場合は、税理士に相談することをお勧めします。
【申告する人】
遺産を相続した相続人や、遺言により遺産を受け取った受遺者です。
【申告・納税の期限】
被相続人(故人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。準確定申告よりも期限が長く設定されています。
【申告先】
被相続人(故人)の死亡当時の住所地を管轄する税務署です。
相続税は、すべての遺産にかかるわけではありません。遺産の総額から差し引くことができる「基礎控除」という非課税枠が設けられています。遺産の総額がこの基礎控除額以下であれば、相続税の申告も納税も不要です。
基礎控除額は以下の計算式で求められます。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
【法定相続人の数に応じた基礎控除額】
- 法定相続人の数 1人(例:配偶者のみ)、基礎控除額3,600万円
- 法定相続人の数 2人(例:配偶者と子1人)、基礎控除額4,200万円
- 法定相続人の数 3人(例:配偶者と子2人)、基礎控除額4,800万円
- 法定相続人の数 4人(例:配偶者と子3人)、基礎控除額5,400万円
遺産の総額が、上記の基礎控除額を超えた場合に、相続税の申告と納税が必要になります。
【遺産総額の計算方法】
遺産総額には、預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、生命保険金や死亡退職金(これらは「みなし相続財産」と呼ばれ、非課税枠があります)も含まれます。
ここから借入金や未払金、葬儀費用などのマイナスの財産を差し引いた金額が、課税対象となる遺産の価額となります。
この遺産の評価は非常に専門的で、相続税が必要かどうかや判断に迷う場合や、基礎控除額を超えそうな場合は、早めに税理士に相談することをお勧めします。
「遺産分割協議書」とは、遺言書がない場合に、法定相続人全員で遺産の分け方について話し合った結果(遺産分割協議)を記録し、全員が合意したことを証明する書類です。
この書類は、不動産の名義変更(相続登記)や、預貯金の解約・名義変更など、様々な相続手続きで必要となる非常に重要な書類です。
【作成のポイント】
●相続人全員の参加
相続人のうち一人でも欠けていると、その協議は無効になります。
●内容の明確化
どの財産を、誰が、どれだけ相続するのかを具体的に記載します。
●全員の署名と実印
相続人全員が署名し、実印を押印します。
●印鑑証明書の添付
各相続人の印鑑証明書を添付します。
遺言書が見つかった場合、その種類によって対応が異なります。
▼遺言書の種類と扱い
| 遺言書の種類 | 保管場所 | 家庭裁判所の検認 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言(自宅保管など) | 自宅、貸金庫など | 必要 |
| 自筆証書遺言(法務局保管制度を利用) | 法務局 | 不要 |
| 公正証書遺言 | 公証役場 | 不要 |
| 秘密証書遺言 | 自身で保管 | 必要 |
【「検認」とは?】
- 検認とは、相続人に対し遺言の存在とその内容を知らせるとともに、遺言書の形状や状態などを確認し、偽造・変造を防ぐための手続きです。
- 遺言の有効・無効を判断するものではありません。
- 勝手に開封すると5万円以下の過料に処せられる可能性があり、遺言書の証拠としての価値が損なわれる恐れもあります。
はい、できます。
相続は、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金やローン、未払金といったマイナスの財産も引き継ぐのが原則です。もし、明らかにプラスの財産よりマイナスの財産の方が多い場合は、「相続放棄」という手続きをとることで、一切の財産を相続しない選択が可能です。
【手続きの期限】
- 自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内です。
- この期間は「熟慮期間」と呼ばれ、非常に重要です。
- この期間を過ぎると、原則として単純承認(すべてを相続)したとみなされます。
【手続きの方法】
1. 申述先の確認
被相続人(故人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。
2. 必要書類の準備
- 相続放棄の申述書
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 申述人(相続放棄する人)の戸籍謄本
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)
3. 申述と受理
書類を家庭裁判所に提出し、審査を経て「相続放棄申述受理通知書」が交付されれば、手続きは完了です。
相続放棄は一度行うと撤回できません。また、自分が放棄すると、次順位の相続人に権利が移るなど、他の親族に影響が及ぶ可能性があります。手続きを検討する際は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。
| 種類 | 内容 | 特徴・注意点 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 単純承認 | すべての財産(プラスもマイナスも)を無条件に相続する。 | ・特別な手続きは不要。 ・熟慮期間を過ぎると単純承認になる。 | 特になし |
| 相続放棄 | すべての財産(プラスもマイナスも)を放棄する。 | ・初めから相続人ではなかったことになる。 ・次順位の相続人に権利が移る。 | 3ヶ月以内 |
| 限定承認 | 相続したプラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を弁済する。 | ・財産が残れば相続できる。 ・相続人全員で行う必要があり、手続きが複雑。 | 3ヶ月以内 |
はい、必要です。2024年4月1日から法律で義務化されました。
これまで任意だった不動産の名義変更(相続登記)ですが、所有者不明の土地問題などを背景に、法律が改正されました。
相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。施行日(2024年4月1日)より前に発生した相続も対象となります。正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。遺産分割協議が長引くなど、すぐに登記できない事情がある場合でも、「相続人申告登記」という簡易的な手続きを行うことで、義務を果たすことができます。
【申請の期限】
自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内です。
【申請先】
その不動産の所在地を管轄する法務局
【手続きの方法】
相続登記には、戸籍謄本類、遺産分割協議書(または遺言書)、固定資産評価証明書など、多くの専門的な書類が必要です。ご自身で行うことも可能ですが、手続きが複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。まずは相談してみることをお勧めします。
故人が所有していた自動車も、相続財産の一つです。相続人が引き続き使用する場合は名義変更(移転登録)を、使用せず廃車にする場合は抹消登録の手続きを行います。相続放棄をした場合は、故人(被相続人)名義であった自動車の名義変更は「原則できません。」
相続放棄をすると、法律上、最初から相続人ではなかったことになるため、自動車を含む遺産の処分(名義変更・売却・廃車等)は一切できず、手続きに関与すること自体が禁止されています。
もし相続放棄をした人が勝手に車の名義変更や処分をすると、「単純承認」とみなされて相続放棄が無効になるリスクがあります(民法921条)。
●手続きの場所
新しい所有者の住所地を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)
●手続きの期限
法律上の明確な期限はありませんが、自動車税の通知などの関係から、なるべく速やかに行うのが望ましいです。
そのまま放置すると、故人宛に自動車税の納税通知書が届き続けるなど、後々手間がかかることになります。
必要書類は、遺言書の有無や、一人の相続人が単独で相続するのか、複数の相続人で共有するのかによって異なります。以下は、一人の相続人が相続する場合の一般的な例です。
- 申請書
- 手数料納付書
- 自動車検査証(車検証)
- 故人の死亡の事実が記載された戸籍謄本(除籍謄本)
- 相続人全員が記載された戸籍謄本
- 遺産分割協議書(相続人全員の実印が押印されたもの)
- 新しい所有者(相続人)の印鑑証明書
- 新しい所有者(相続人)の実印
- 車庫証明書(自動車保管場所証明書)
必要書類はケースバイケースで複雑なため、手続きを行う前に管轄の運輸支局等に問い合わせて確認することをお勧めします。
故人が株式や投資信託などの有価証券を保有していた場合、相続人への名義変更が必要です。
【手続きの流れ】
1. 証券会社への連絡
故人が取引していた証券会社のカスタマーサービスや支店に連絡し、口座名義人が死亡したことを伝えます。
2. 残高証明書の発行依頼
遺産分割協議のために、死亡日時点での「残高証明書」を発行してもらいます。
3. 相続手続き書類の請求
証券会社から相続手続きに必要な書類(相続手続依頼書など)を取り寄せます。
4. 書類の提出
遺産分割協議書や戸籍謄本など、指定された書類を提出します。
5. 名義変更の完了
書類が受理されると、故人の口座から相続人の口座へ株式などが移管されます。
相続人がその証券会社に口座を持っていない場合は、新たに口座を開設する必要があります。
故人が生命保険に加入していた場合、指定された保険金受取人が生命保険金を請求できます。
【手続きの流れ】
1. 保険会社への連絡
保険証券などで契約内容を確認し、保険会社のコールセンターや担当者に連絡します。証券が見当たらない場合でも、契約者名や生年月日で照会できることがあります。
2. 請求書類の取り寄せ
保険会社から死亡保険金請求書や手続きの案内が送られてきます。
3. 必要書類の準備・提出
一般的に以下の書類が必要です。
- 保険会社所定の死亡保険金請求書
- 死亡診断書または死体検案書のコピー
- 保険証券受取人の本人確認書類
- 受取人の戸籍謄本
- 故人の除籍謄本
4. 保険金の受け取り
書類に不備がなければ、通常1〜2週間程度で指定の口座に保険金が振り込まれます。
請求期限は、保険法で支払事由が発生した時(死亡時)から3年と定められています。早めに手続きをしましょう。
生命保険金は、誰が受取人になっているかによって、かかる税金の種類が異なります。これは非常に重要なポイントです。
| 保険料を払っていた人(契約者) | 保険の対象だった人(被保険者) | 保険金を受け取った人(受取人) | 税金の種類 |
|---|---|---|---|
| 故人 | 故人 | 相続人 | 相続税 |
| 故人 | 故人 | 相続人以外 | 贈与税 |
| Aさん | 故人 | Aさん | 所得税(一時所得) |
多くの場合は、契約者と被保険者が故人本人で、受取人が配偶者や子(相続人)というケースであり、この場合は相続税の対象となります。ただし、生命保険金には「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があり、遺族の生活保障という側面から税金の負担が軽減されるようになっています。
故人が会社員や公務員だった場合、勤務先の会社や共済組合から弔慰金(ちょういきん)や死亡退職金が支給されることがあります。
●手続きの窓口
故人の勤務先の人事部や総務部、共済組合など。
●手続きの方法
まずは窓口に連絡し、受取人や手続きについて確認します。会社の規定によって、支給対象者や金額、手続き方法が異なります。
弔慰金や死亡退職金も、相続税の課税対象となる場合がありますが、一定の非課税枠が設けられています。
●弔慰金
業務上の死亡で月給の3年分、業務外の死亡で月給の半年分までが非課税。
●死亡退職金
生命保険金と同じく、「500万円×法定相続人の数」が非課税限度額となります。
故人が個人事業主だった場合、ご家族は税務署などへの複数の届出が必要です。準確定申告と合わせて、税理士に相談しながら進めると安心です。
| 届出書類 | 提出先 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業・廃業等届出書 | 税務署 | 死亡後速やかに |
| 所得税の青色申告の取りやめ届出書 | 税務署 | 準確定申告の期限と同じ(相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内) |
| 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 | 税務署 | 廃止の事実があった日から1ヶ月以内 |
| 事業廃止届出書(消費税) | 税務署 | 廃止後速やかに |
このほか、事業を引き継ぐ場合は許認可の承継手続き、廃業する場合は取引先への連絡や支払い、設備の処分などが必要になります。
故人が株式会社などの役員(取締役など)だった場合、役員が欠けることになるため、法務局で役員変更の登記が必要です。死亡による退任登記は、2週間以内に行わなければなりません。
また、後任の代表取締役を選任するための株主総会や取締役会の開催、金融機関への代表者変更の届出、許認可の変更手続きなど、多岐にわたる手続きが発生します。会社の顧問税理士や司法書士、弁護士と緊密に連携して進める必要があります。
はい、あります。
住民税は、その年の1月1日時点で住所のある市区町村に納税する義務があります。そのため、故人が1月2日以降に亡くなった場合でも、その年度分の住民税の納税義務は発生します。
故人の納税義務は相続人が引き継ぎます。通常、亡くなった年の後半に、相続人代表者宛に納税通知書が送られてきますので、それで納付します。
固定資産税も住民税と同様、その年の1月1日時点の所有者(登記簿上の名義人)に納税義務があります。したがって、年の途中で亡くなった場合でも、その年度分の固定資産税は全額納める必要があり、その義務は相続人が引き継ぎます。
相続登記が完了するまでの間、役所は「相続人代表者指定届」の提出を求めてきます。この届出に基づき、翌年以降の納税通知書が代表者宛に送付されることになります。
法律上、ペットは「もの(財産)」として扱われます。
そのため、誰が引き取って世話をするのかを、相続人全員で話し合って決める必要があります。
●引き取り手の決定
相続人の誰かが引き取るのが最も一般的です。
●飼い主の変更届
犬の場合は、市区町村への登録事項変更届(飼い主の変更)が必要です。血統書がある場合は、その団体への名義変更も行います。
●新しい飼い主探し
誰も引き取れない場合は、親族や知人、または動物愛護団体や里親探しのサービスなどに相談します。
故人が遺言で「ペットを〇〇に相続させる」と指定している場合は、原則としてその遺言に従います。
遺品整理を始める時期に決まりはありません。葬儀後すぐは心身ともに疲労しているため、焦る必要はありません。四十九日の法要が終わった後や、相続手続きが一段落した頃など、少し気持ちが落ち着いてから始めるのが一般的です。
【遺品整理の進め方ステップ】
- 貴重品・重要書類の捜索:遺言書、権利証、預金通帳、保険証券、印鑑などを最優先で探します。相続手続きに必要です。
- 遺品の仕分け:「残すもの(形見分け)」「リサイクル・売却するもの」「処分するもの」に大別します。
- 形見分け:親族間で誰が何を引き取るかを話し合います。
- 処分・片付け:リサイクル業者や遺品整理専門業者に依頼する方法もあります。
賃貸物件の場合は、退去日までに部屋を空にする必要があります。
無理せず、ご自身のペースで、家族と協力しながら進めましょう。
故人が賃貸アパートやマンションに住んでいた場合、賃貸借契約の解約手続きが必要です。
1. 大家さん・管理会社への連絡
契約者が死亡したことを速やかに伝えます。
2. 解約手続き
相続人が解約の申し入れを行います。契約書を確認し、解約予告期間(通常1ヶ月前)などを確認します。
3. 遺品の搬出と原状回復
解約日までに室内の遺品をすべて片付け、掃除をします。通常の使用を超える傷や汚れがある場合は、修繕費用を請求されることがあります。
4. 敷金の返還
未払いの家賃や原状回復費用を差し引いた敷金が、相続人に返還されます。
介護施設に入所していた場合、賃貸物件と同様に退去手続きが必要です。
退去手続きは、以下の流れで進められるのが一般的です。
- 死亡届の提出や葬儀、遺体搬送などの手続きが一段落した後で、施設側と退去日や退去に関する取り決めの打ち合わせを行います。
- 退去日までに遺品や居室の荷物の整理・搬出を済ませなければなりません。荷物が残っている間は通常、利用料金が発生し続けます。
- 施設ごとに契約書や規定に基づいて、契約解除や居室の原状回復にかかる費用の精算が行われます。入居一時金の返金や未払い料金の清算もこの段階で実施されますが、返金ルールは施設ごとに異なるため契約時に確認が必要です。
- 残置物の引き取りや遺品整理は、家族が行うことが多いですが、対応が困難な場合は遺品整理業者に依頼するケースもあります。
- 退去手続きや精算などの責任は身元保証人が負うことが多く、契約内容によりますが相続放棄をしている場合は手続きに影響が出ることもあります。
これらの手続きは施設ごとに異なるため、入居時に契約書や死亡時の退去手続きや費用負担について確認しておくことが重要です。
お墓(墓地)の使用権は「祭祀財産」とされ、通常の相続財産とは異なり、お墓を主宰して守っていく一人の承継者が引き継ぎます。これを「墓地の承継」と言い、名義変更の手続きが必要です。
●手続きの窓口
お墓があるお寺や霊園の管理事務所
●手続きの方法
管理事務所に連絡し、承継者(新しい名義人)や必要書類を確認して手続きを行います。
承継者は、故人の指定があればその人が、なければ親族間の話し合いや慣習によって決まります。
近年、お墓を持たない、あるいは建てないという選択をする方も増えています。
ご遺骨の供養には様々な方法があります。
●納骨堂
屋内に設置された、個人や家族ごとのお墓。天候に左右されずお参りできます。
●樹木葬
墓石の代わりに樹木を墓標とするスタイル。自然に還るイメージで人気があります。
●散骨
粉末状にしたご遺骨を、海や山などに撒く方法。法律や条例のルールを守って行う必要があります。
●手元供養
ご遺骨の一部を、小さな骨壺やアクセサリーなどに入れて自宅で供養する方法。
●合祀墓(ごうしぼ)
血縁関係のない多くの人のご遺骨を、一緒に埋葬するお墓。永代供養の一環として行われます。
ご家族でよく話し合い、故人の意向やご自身のライフスタイルに合った方法を選びましょう。
葬儀社からの請求書の支払い期限は、一般的に葬儀終了後から1週間から10日以内であることが多いです。中には葬儀当日や葬儀終了後すぐに支払いを求める葬儀社もありますが、後日払いが主流で、葬儀社によって期限は異なります。
支払い方法には以下のようなものがあります。
- 当日現金払い(清算して帰る場合や、前もって一部入金し後で精算するケースもあり)
- 後日銀行振込(請求書が届いてから1週間〜10日以内に振り込みパターンが多い)
- カード払いが可能な葬儀社もあるため事前に確認が必要
- 信販会社のローンを利用できる場合もあり、無理のない範囲での葬儀が推奨される
請求金額は葬儀後に確定し、支払いのタイミングで負担者が集まり折半することも一般的です。支払い負担者は通常「喪主」が代表して支払いを行いますが、遺族間で費用を分担したり、故人の預金や生命保険金で支払うこともあります。
ただし、故人の預金は口座凍結の可能性があり、保険金支払までには数週間かかるため、即払いを要する場合は遺族が負担することが多いです。
故人が日本在住の外国人だった場合、通常の手続きに加えて、以下のような特別な手続きが必要になります。
●在日大使館・領事館への死亡届の提出
日本の役所への死亡届とは別に、故人の国籍がある国の在日大使館または領事館にも死亡の届出が必要です。
●相続法の適用
相続に関しては、日本の法律ではなく、故人の本国の法律(本国法)が適用されるのが原則です。誰が相続人になるか、相続分はどうなるかなどが日本の民法と異なる場合があります。
●外国人登録証明書の返却
市区町村役場に返却します。
国際相続は非常に専門的で複雑なため、弁護士や司法書士など、国際相続に詳しい専門家への相談が不可欠です。
故人が県営住宅や市営住宅などの公営住宅に住んでいた場合、各自治体の住宅担当課への届出が必要です。
●単身で入居していた場合
賃貸借契約は終了となり、部屋を明け渡す必要があります。
●同居人がいた場合
同居していた親族が引き続き住むことを希望する場合、「承継」の手続きが必要になります。ただし、公営住宅の入居には収入制限などの条件があるため、必ずしも承継が認められるとは限りません。
まずは速やかに住宅担当課に連絡し、今後の手続きについて指示を受けてください。
故人が、子どものための児童手当や、ひとり親家庭のための児童扶養手当などを受給していた場合、その受給資格は死亡によって失われます。
お住まいの市区町村役場の子育て支援担当課などに連絡し、「受給事由消滅届」を提出する必要があります。手続きをしないと、手当が支給され続けてしまい、後で返還を求められることになるため、忘れずに行いましょう。
もし、未支給の手当がある場合は、配偶者など他の養育者が請求できる場合がありますので、併せて窓口で相談してください。
故人(被後見人)に成年後見人、保佐人、補助人が選任されていた場合、その任務は本人の死亡によって自動的に終了します。
ただし、後見人の仕事がすぐに終わるわけではありません。後見人には、任務終了後も以下の手続きを行う義務があります。
1. 相続人への財産引き継ぎ
管理していた預貯金、不動産の権利証、その他の財産を、相続人代表者などに引き継ぎます。
2. 管理計算と家庭裁判所への報告
後見の開始から終了までの財産管理の状況をまとめた最終報告書と財産目録を作成し、家庭裁判所に提出します。
3. 後見終了の登記
法務局に対し、後見終了の登記申請を行います。これは、後見人の任務が終了したことを公的に示すための手続きです。
これらの手続きが完了して、ようやく後見人のすべての役割が終わります。
故人が税理士、弁護士、司法書士、医師などの「士業」や国家資格を必要とする専門職だった場合、それぞれの資格を所管する団体(登録機関)への登録抹消(資格喪失)の手続きが必要です。
●税理士
所轄の税理士会を通じて、日本税理士会連合会への登録抹消を届け出ます。
●弁護士
所属していた弁護士会に死亡の届出を行います。
ご遺族が手続きを行う必要がありますので、故人が所属していた各団体に連絡し、必要な書類や手順を確認してください。
はい、自動的に廃止されます。
市区町村役場に死亡届を提出し、住民票が消除されると、それに伴って印鑑登録も職権で抹消されます。したがって、ご遺族が印鑑登録の廃止手続きを別途行う必要はありません。故人の印鑑登録証(カード)は、ご自身でハサミを入れるなどして処分してください。
故人のマイナンバーカードや住民基本台帳カードは、返納や失効のための特別な手続きを行う必要はありません。故人の死亡届を提出すると、その情報が市区町村に通知されて、マイナンバーカードは自動的に失効(無効)となります。また、住民基本台帳カードも同様に失効します。
ただし、マイナンバーカードは相続手続きや遺族年金、生命保険請求などの手続きにおいて必要になる場合があるため、すぐに返納せずに返納手続きが完了するまで保管しておくことが一般的です。
悪用などの不安がある場合は、落ち着いた後に市区町村の窓口で返納手続きを行うことも可能です(返納義務はありません)。もし自治体で返納手続きがない場合は、カードを裁断し家庭ごみとして処分する方法もあります。
死亡後も、相続手続きなどで故人の証明書が必要になる場面は多くあります。
| 証明書の種類 | 取得できる場所 | 請求できる人(主な例) |
|---|---|---|
| 戸籍謄本(除籍謄本) | 故人の本籍地の市区町村役場 | ・配偶者 ・直系血族(父母、子、孫など) |
| 住民票の除票 | 故人の最後の住所地の市区町村役場 | ・相続人など、正当な利害関係のある人 |
| 固定資産評価証明書 | 資産がある市区町村役場(都税事務所) | ・相続人 |
郵送で請求することも可能です。各役所のウェブサイトで請求方法を確認してください。
故人が生活保護を受給していた場合の手続きは、主に以下のようになります。
1. 死亡届の提出
死亡後7日以内に、死亡した場所を管轄する市区町村役場の戸籍届出窓口に死亡届を提出します。これは一般的な死亡届と同様です。
2. 生活保護の担当者・ケースワーカーへの連絡
故人が生活保護受給者であったことをケースワーカーや福祉事務所に連絡し、受給停止の手続きや受給者証の返納を行います。これにより生活保護給付は停止され、未使用分の返還処理が始まります。
3. 葬祭扶助の申請
経済的に余裕のない遺族のために、自治体が葬儀費用の一部または全額を補助する「葬祭扶助」を利用できます。葬祭扶助は葬儀の前に申請が必要で、役所の福祉課や福祉事務所、ケースワーカーに相談して申請手続きを行います。申請が認められた後、葬儀社に依頼して葬儀を進めることができます。
4. その他の注意点
死亡診断書や本人確認書類など、役所の手続きに必要な書類は自治体によってやや異なるため、事前確認が推奨されます。生活保護の手続きに関することや葬祭扶助の内容については、受給している自治体の福祉担当窓口で具体的に相談するとスムーズです。
故人が支払った医療費が高額になった場合、払い戻しを受けられる可能性があります。
●高額療養費制度
医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月で上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。
●請求先
故人が加入していた健康保険(市区町村役場、健康保険組合など)
●請求できる人
相続人
多くの場合、対象者には自動的に申請書が送られてきますが、送られてこない場合でも相続人が請求できます。支給の申請には2年の時効があるため、心当たりがあれば問い合わせてみましょう。
故人が使用していた携帯電話が個人契約ではなく、勤務先などの法人名義だった場合、ご遺族が解約手続きを行うことはできません。
速やかに故人の勤務先(総務部など)に連絡し、携帯電話を返却してください。その後の手続きは、契約者である法人が行います。
故人が亡くなった時点で家が新築中またはリフォーム中だった場合、工事の契約関係をどうするか、相続人が対応を決める必要があります。
1. 施工会社への連絡
まずは施工会社(ハウスメーカー、工務店など)に連絡し、契約者が死亡したことを伝えます。
2. 契約書の確認
工事請負契約書の内容を確認します。契約者が死亡した場合の規定(契約の続行、解除、違約金など)が記載されているかを確認します。
3. 相続人間での協議
工事を続行して家を完成させるのか、あるいは契約を解除するのかを、相続人全員で話し合います。
4. 施工会社との交渉
相続人の方針が決まったら、施工会社と今後の進め方について具体的に交渉します。
契約の解除には違約金が発生することもあるため、慎重な判断が必要です。必要に応じて弁護士などの専門家に相談しましょう。
故人が生前に支払った医療費は、相続人が準確定申告を行うことで、医療費控除を受けることができます。
控除の対象となるのは、故人が亡くなる日までに支払った医療費です。故人と生計を一つにしていた配偶者や親族の医療費を故人が支払っていた場合、その分も合算して申告できます。
準確定申告によって所得税が還付される場合、その還付金は相続財産の一部となります。
スマートフォンやパソコン、クラウド上にある故人の写真や動画データは、大切な思い出の品です。
●ID・パスワードがわかる場合
ご家族で相談し、必要なデータをパソコンや外付けハードディスク、DVDなどに保存(バックアップ)しておきましょう。
●ID・パスワードが不明な場合
データの取り出しは非常に困難になります。無理にアクセスを試みると、データが消えてしまう危険もあります。デジタル遺品の復旧を専門とする業者に相談する方法もありますが、費用がかかります。
生前に、大切なデータの保管場所やID、パスワードを家族間で共有しておく「デジタル終活」の重要性が高まっています。
故人のSNSアカウントを放置すると、乗っ取りやなりすましなどの被害に遭うリスクがあります。各サービスの規定に従って、削除または追悼アカウントへの移行手続きを行うことをお勧めします。
故人がSNSアカウントを持っていた場合の削除手続きについて、主要なサービスごとに概要と必要書類、手続きの流れをまとめました。
- 故人のFacebookアカウントは「追悼アカウント」に設定するか、完全に削除するか選べます。
- 削除や追悼アカウント設定をするには、故人の親族や遺言執行者など合法的な代理人であることを証明する書類(委任状、戸籍謄本、遺言書など)と、故人の死亡証明書(死亡記事やメモリアルカード等)が必要です。
- 削除申請はFacebookの専用フォームから行い、申請後の審査を経て削除が実行されます。
- 追悼アカウントに設定するとログインできなくなり、投稿の管理や友達リクエストの承認など一部管理が可能です。
- InstagramもFacebook(Metaグループ)と同様に「追悼アカウント」への変更か完全削除が可能です。
- 削除申請は故人の近親者ができ、死亡証明書や合法的代理人を証明する書類が必要です。
- 削除依頼は専用フォームで提出し承認後にアカウント削除されます。
自分で故人のアカウント処理を事前に設定することはできませんが、近親者が手続きを行えます。
●YouTube(Googleアカウント)
- YouTubeチャンネルはGoogleアカウントに紐づくため、Googleの「Inactive Account Manager」という無効化管理ツールで、生前に死後のデータ取り扱いを設定できます。
- 生前に設定がない場合、法定代理人または遺族がGoogleに申請し、死亡証明などの書類を提出してアカウントの削除やデータ取得の請求が可能です。
- 動画の削除は審査後となり、6か月以上ログインがない場合に自動削除もあります。
●LINE
- LINEアカウントは本人限定利用であり、家族でも引き継ぐことはできません。
- 故人の死亡が確認された場合、家族が問い合わせフォームを通じて削除申請できます。
- LINE側が死亡事実確認後、アカウント削除などの対応をしますが、手続きは義務ではありません。
●X(旧Twitter)
- Xのアカウントは法定代理人や遺族が削除依頼を出せます。
- 削除には故人の死亡証明や申請者の身分証明、場合によっては委任状等の書類提出が必要です。
- 削除申請後の手続きは詳細メールが届き、指示に従います。Twitterには追悼アカウント設定の仕組みはなく、基本的に削除か放置の選択です。
●削除手続きに共通するポイント
- 故人の死亡を証明する書類(死亡証明書、死亡記事など)が必須。
- 申請者が故人の近親者や合法的代理人であることを証明する書類(戸籍謄本、委任状、遺言書など)が求められる。
- 各サービスの専用フォームやお問い合わせ窓口から申請する。
- 申請後、本人確認や死亡事実の確認が行われ、審査のうえで対応される。
必要に応じて、故人のデジタル遺品としてのSNSアカウント管理を速やかに行うことで、プライバシー保護や悪用防止につながります。各サービスの公式ヘルプページや専用フォームで最新の手続き方法を確認することをお勧めします。
大切な方を亡くした悲しみの中で、複雑な手続きに手がつかないのは当然のことです。決して無理をしたり、一人で抱え込んだりしないでください。
●まずは休むことを優先する
期限が迫っている緊急の手続き以外は、少し気持ちが落ち着くまで待っても構いません。
●周りの人に頼る
他の家族や親族と、手続きを分担できないか相談してみましょう。
●専門家を頼る
費用はかかりますが、司法書士や行政書士、税理士といった専門家は、相続手続きの代行やアドバイスを行ってくれます。負担を大きく軽減できます。
●公的な相談窓口を利用する
お住まいの市区町村役場には、法律相談や心の健康に関する相談窓口が設けられている場合があります。
●グリーフケアの団体に相談する
死別を経験した人々が集う自助グループや、専門家によるカウンセリングなど、悲しみを分かち合い、乗り越えるためのサポート(グリーフケア)があります。
今はご自身の心と体にいたわることを最優先に考えてください。
まず大前提として、故人が生前に書いた委任状は、本人の死亡によってその効力を失います。したがって、「故人の委任状」を使って手続きをすることはできません。
手続きを行うのはあくまで相続人です。その相続人が、何らかの理由で手続きに行けず、他の相続人や専門家に手続きを依頼する場合に、「手続きを行う相続人自身が作成した委任状」が必要になります。
例えば、「相続人Aが、相続人Bに銀行の相続手続きを依頼する」といったケースで、AからBへの委任状が必要となります。
自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見した場合、家庭裁判所で「検認」の手続きを受ける必要があります。
【検認手続きの流れ】
1. 申立て
遺言書の保管者または発見した相続人が、故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「遺言書の検認申立書」を提出します。収入印紙800円と、連絡用の郵便切手が必要です。
2. 必要書類の提出
申立書と一緒に、故人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本などを提出します。
3. 検認期日の通知
家庭裁判所から、相続人全員に検認を行う日時(検認期日)が通知されます。
4. 検認の実施
申立人は、当日に遺言書を持参して家庭裁判所に行きます。相続人全員の出席のもと、裁判官が遺言書を開封し、形状や日付、署名などを確認して「検認調書」を作成します。
検認が終わると、遺言書に「検認証明書」が付けられ、不動産の名義変更や預貯金の解約などの手続きに使えるようになります。
はい、一定の範囲内で可能です。
金融機関が死亡の事実を知ると口座は凍結されますが、2019年7月から始まった「預貯金の仮払い制度」を利用すれば、遺産分割協議が終わる前でも、相続人が単独で一定額を引き出すことができます。
【引き出せる金額の上限】
以下のうち、低い方の金額となります。
- (相続開始時の預金額)×1/3×(払戻しを求める相続人の法定相続分)
- 150万円(一つの金融機関あたりの上限)
この制度を利用すれば、当面の葬儀費用や生活費を工面することが可能です。手続きには、故人の除籍謄本や申請する相続人の戸籍謄本、本人確認書類などが必要になります。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。
はい、葬儀費用は遺産総額から差し引くことができます。これにより、相続税の負担を軽減できます。ただし、控除できる費用とできない費用があるため注意が必要です。
【葬儀費用として控除できるもの・できないもの】
●控除できる費用
- 通夜、告別式の費用
- 火葬、埋葬、納骨の費用
- お布施、読経料、戒名料など
- 斎場までの交通費
- お手伝いさんへの心付け
●控除できない費用
- 香典返しの費用
- 墓石や墓地の購入費用
- 初七日や四十九日の法要費用
- 遺体の解剖費用
領収書は必ず保管しておき、何のための費用かをメモしておくと、相続税の申告の際に役立ちます。
いいえ、必ずしも同じ人が行う必要はありません。
準確定申告(死亡後4ヶ月以内)と相続税申告(死亡後10ヶ月以内)は、どちらも相続人全員の義務ですが、申告書を作成し、代表して提出する人が同じである必要はありません。
例えば、準確定申告は長男が代表して行い、相続税申告は税理士に依頼して配偶者が代表者として提出する、といったことも可能です。ただし、どちらの申告も相続人全員が内容を確認し、連名で署名・押印するのが原則です。
手続きの中には、期限を過ぎると過料(かりょう)という行政上の罰則(金銭罰)が科されるものがあります。すべての手続きに罰則があるわけではありませんが、期限が定められているものは、理由なく遅れると不利益を被る可能性があります。速やかに進めることが大切です。
| 手続き | 期限 | 過料など |
|---|---|---|
| 死亡届 | 7日以内 | 5万円以下 |
| 相続登記 | 3年以内 | 10万円以下 |
| 役員変更登記(会社経営者) | 2週間以内 | 100万円以下 |
| 相続放棄・限定承認 | 3ヶ月以内 | 期限を過ぎると単純承認とみなされる |
「未支給年金」や「未払い給与」は、相続人が請求して受け取ることができます。
●未支給年金
年金は後払いのため、故人が亡くなった時点でまだ受け取っていない分が発生します。生計を同じくしていた遺族が「未支給年金・保険給付請求書」を年金事務所などに提出して請求します。これは相続財産ではなく、受け取った遺族固有の財産となります。
●未払い給与・死亡退職金
故人の勤務先に連絡して請求します。これらは相続財産に含まれます。
いずれも請求できる権利には時効(年金は5年、給与は3年)があるため、早めに手続きしましょう。
これは非常に重要なポイントです。
【原則:遺産分割の対象にならない】
生命保険金は、保険契約に基づいて指定された受取人が受け取る「固有の財産」とされています。そのため、原則として遺産分割協議の対象にはならず、相続財産にも含まれません。受取人は、他の相続人の同意がなくても、単独で保険金を請求し、受け取ることができます。
【例外:遺産分割の対象とみなされるケース】
例外的に、生命保険金が「特別受益」に準ずるものとして、遺産分割の際に考慮されることがあります。これは、特定の相続人だけが著しく高額な保険金を受け取り、他の相続人との間に到底是認できないほどの不公平が生じる場合です。
例えば、「遺産のほとんどが特定の相続人に渡る生命保険金で、他の相続人が受け取る金額が全くない」といった極端なケースがこれにあたります。
このようなケースでは、裁判所の判断で、保険金を遺産の前渡し(特別受益)とみなし、その分を考慮して遺産の取り分を調整することがあります。判断が難しいため、トラブルになった場合は弁護士にご相談ください。