1. ご逝去前後の用語
訃報(ふほう)
「訃報」とは、人が亡くなったという知らせそのものを指します。「訃報に接する」といった使われ方をします。葬儀の準備においては、この訃報を「誰に、どのタイミングで、どの範囲まで伝えるか」が重要になります。
危篤(きとく)
医師が、「病状が極めて重く、いつ亡くなってもおかしくない差し迫った状態」と判断したことを指します。病院から「危篤です」と連絡があった場合、それはご家族や親しい方に、最期のお別れのために集まってほしいというサインです。深夜であっても、ためらわずに駆けつけるべき時です。
臨終(りんじゅう)
まさに息を引き取ろうとする、その瞬間を指します。「ご臨終です」と医師から告げられた時が、法的な死亡時刻となります。
ご逝去(ごせいきょ)
「逝去」は、「死」を直接的に表現するのを避けた、尊敬語です。身内以外の人(第三者)が亡くなった際に使います。逆に、ご遺族が身内の死を他人に伝える際は「父が亡くなりました」「父が息を引き取りました」と言うのが一般的です。
喪主(もしゅ)
葬儀全体を主催する、遺族の代表者です。一般的には、故人の配偶者、または長男・長女が務めることが多いです。喪主は、葬儀社との打ち合わせの最終決定者となり、葬儀当日は参列者への挨拶なども行います。誰が喪主を務めるかを、ご遺族間で最初に決めておく必要があります。
葬儀プラン(そうぎプラン)
葬儀社が提供する、葬儀に必要なサービスをまとめたパッケージ商品です。「家族葬プラン」「一日葬プラン」など、葬儀の形式ごとに複数のプランが用意されているのが一般的です。
【注意点】
プランに何が含まれ、何が含まれていないのか(例:飲食費、返礼品、寺院費用など)を、しっかり確認することが最も重要です。
2. 葬儀の形式・スタイル
葬儀形式・葬儀スタイル(そうぎけいしき・そうぎスタイル)
通夜や告別式の有無、参列者の範囲などによって分類される、お葬式の「型」のことです。主に以下の種類があります。
1. 一般葬(いっぱんそう)
最も伝統的な形式です。ご遺族や親族だけでなく、友人、知人、会社関係者、ご近所の方など、参列者を限定せずに、通夜・告別式を2日間にわたって行います。故人が社会的地位のある方や、交友関係が広かった場合に選ばれます。
2. 家族葬(かぞくそう)
近年、最も選ばれている形式です。通夜・告別式を2日間行う流れは一般葬と同じですが、参列者を家族や親しい親族・友人のみに限定します。
- メリット:費用を抑えられ、参列者への対応に追われず、故人とゆっくりお別れができます。
- デメリット:葬儀後に弔問客の対応に追われる可能性や、親族の理解が得られない場合があります。
3. 一日葬(いちにちそう)
お通夜を行わず、告別式と火葬を1日で執り行う形式です。
- メリット:遺族(特に高齢の方)の体力的な負担が軽減され、遠方からの参列も日帰りで参加しやすくなります。
- デメリット:菩提寺によっては、通夜を行わない形式を認めてもらえない場合があります。
4. 直葬(ちょくそう)/火葬式(かそうしき)
通夜・告別式といった儀式を一切行わず、火葬のみを行う最もシンプルな形式です。ご逝去後、ご遺体を安置し、法律で定められた24時間経過後、ごく近親者のみで火葬場へ向かいます。
- メリット:費用を最小限に抑えられます。
- デメリット:お別れの時間が極端に短いため、後悔が残る可能性があります。菩提寺との納骨トラブルにも注意が必要です。
宗教葬(しゅうきょうそう)
仏式、神式、キリスト教式など、特定の宗教の教義・儀礼にのっとって行われる葬儀のことです。日本では仏式が圧倒的に多く、その場合、僧侶による読経や焼香、戒名の授与などが行われます。菩提寺がある場合は、基本的にその宗派に沿った宗教葬となります。
無宗教葬(むしゅうきょうそう)
宗教的な儀式を行わない葬儀スタイルです。僧侶などを呼ばず、特定の宗教色を排して行われます。
自由葬(じゆうそう)
無宗教葬の一形態で、より自由な形式でお別れを行うお葬式です。決まった流れはなく、故人の好きだった音楽を流す「音楽葬」や、趣味の作品を飾ったり、思い出の映像を上映したりと、故人らしさを表現することに重きを置きます。
注意点
自由な反面、企画・準備が大変になることも。また、親族の理解を得ることが不可欠です。
3. 宗教・お寺に関する用語
菩提寺(ぼだいじ)
菩提寺とは、先祖代々のお墓があり、法要などを営んでもらっているお寺(檀家となっているお寺)のことです。
【最重要】
もし菩提寺がある場合、葬儀を行う前に必ず菩提寺に連絡し、許可を得る必要があります。相談なく、別の葬儀社や別の宗派の僧侶で葬儀を行ってしまうと、菩提寺のお墓への納骨を断られるなど、深刻なトラブルになる可能性があります。
宗派(しゅうは)
仏教における「流派」のことです。浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗など、日本には多くの宗派が存在します。
ポイント
宗派によって、葬儀の作法(焼香の回数など)やお経、戒名の考え方が異なります。菩提寺がある場合は、その宗派を葬儀社に正確に伝えましょう。ご自身の宗派が分からない場合でも、葬儀社が調べてくれたり、各宗派の僧侶を手配してくれたりします。
僧侶(そうりょ)
仏式葬儀において、読経や儀式を執り行うお坊さんのことです。
神主(かんぬし)
神道(神式)の葬儀(神葬祭)において、儀式を執り行う神職のことです。
牧師(ぼくし)/神父(しんぷ)
キリスト教式の葬儀において、儀式を司式する聖職者のことです。主にプロテスタントでは「牧師」、カトリックでは「神父」と呼ばれます。
お布施(おふせ)
仏式葬儀において、僧侶に読経や戒名授与などを行っていただいたことへの感謝の気持ちとしてお渡しするお金です。
【注意点】
お布施はサービスの対価ではないため、「定価」がありません。金額に迷う場合は、菩提寺に直接「皆様、おいくら位お包みされていますか」と伺うのが最も確実です。葬儀社に僧侶の手配を依頼した場合は、金額が明確に提示されます。
御膳料(おぜんりょう)
通夜振る舞いや精進落としといった会食の席に、僧侶が辞退された場合に、食事代としてお渡しするお金です。目安は5,000円〜1万円程度を、お布施とは別の封筒で用意します。
御車代(おくるまだい)
僧侶に式場まで足を運んでいただいた際の交通費としてお渡しするお金です。目安は5,000円〜1万円程度。もしご遺族が自家用車などで送迎する場合は不要です。
4. 施設・ご遺体に関する用語
斎場(さいじょう)
通夜や葬儀・告別式といった儀式を行う会場のことです。「葬儀会館」「セレモニーホール」とも呼ばれます。
- 公営斎場:市区町村などが運営。利用料が安価なため人気が高いですが、予約が取りにくいこともあります。
- 民営斎場:葬儀社が運営する自社ホールや、民間の貸斎場。設備が充実していることが多いです。
- 寺院斎場:お寺の境内にある会館。
- 併設:火葬場に斎場が併設されている「総合斎場」は、移動の手間が省けるため人気があります。
火葬場(かそうば)
故人様を火葬し、ご遺骨を収骨する(骨上げ)ための施設です。
● ポイント
都市部では火葬場が混雑しており、ご逝去から火葬まで1週間以上待つことも珍しくありません。この待機日数が、ご遺体の安置費用(後述)に影響します。
安置(あんち)
ご逝去後、通夜や火葬までの間、故人様のお体を適切な場所でお休みいただくことです。法律(墓地、埋葬等に関する法律)により、死後24時間は火葬できません。そのため、最低1日は安置する場所が必要です。
- ご自宅:住み慣れた家で、家族とゆっくり過ごせます。
- 葬儀社の安置施設:葬儀社の会館や、専用の保冷施設。住宅事情(マンションなど)で自宅安置が難しい場合に利用します。
故人(こじん)
亡くなられた方を指す、最も一般的で丁寧な呼び方です。葬儀社との打ち合わせでは、「故人様」と呼ばれることがほとんどです。
遺体(いたい)
亡くなった方の体を指す、医学上・法律上の用語です。葬儀社は、ご遺族の心情に配慮し、「遺体」ではなく「お体」や「故人様」と呼ぶのが通常です。
納棺(のうかん)
故人様のお体を洗い清め、身支度を整え(死化粧など)、お棺に納める儀式です。通常、通夜の前に、ご遺族立ち会いのもとで、葬儀社のスタッフ(納棺師)によって厳かに行われます。
湯灌(ゆかん)
納棺に先立ち、故人様のお体を専用の移動式バスタブでお湯を使って洗い清める儀式です。
【ポイント】
これはオプション(追加費用)です。一般的なプランには、お湯を使わない「清拭(せいしき)」(アルコール綿などでお体を拭く)が含まれています。湯灌は、故人をより丁寧に清めたいという場合に選びますが、必ずしも必要ではありません。
エンバーミング
ご遺体に防腐・殺菌・修復処置を施す特殊な技術です。これも高額なオプション(15万円〜25万円程度)です。
【主な目的】
- 長期保全:火葬まで1週間以上空いてしまう場合など、お体を衛生的に美しく保ちます。
- 修復:闘病でやつれたお顔や、事故などで損傷したお体を、生前の安らかなお姿に近づけます。
- 感染症予防:ご遺体を殺菌することで、安心して故人に触れてお別れができます。
ご遺体搬送(ごいたいはんそう)
故人様のお体を車で運ぶことです。主に2つのタイミングがあります。
- 1. 病院・施設 → 安置場所(自宅や斎場)
- 2. 安置場所/斎場 → 火葬場
寝台車(しんだいしゃ)
主に、最初の「病院・施設 → 安置場所」までの搬送に使われる車です。ストレッチャー(移動式ベッド)が乗るように改造された、見た目は普通のミニバンやワゴン車であることが多いです。葬儀社に連絡すると、まずこの寝台車がお迎えに来ます。
霊柩車(れいきゅうしゃ)
主に、「安置場所/斎場 → 火葬場」への最後の移動に使われる車です。
- 宮型(みやがた):屋根に金色の輿(こし)が乗った、伝統的で豪華なデザイン。
- 洋型:高級セダンやワゴン車をベースにした、スマートなデザイン。
- バン型:寝台車と兼用できるシンプルなデザイン。家族葬や直葬では、このバン型霊柩車が使われることも多いです。
棺(ひつぎ)
故人様のお体を納めるための棺(おかん)です。
- 種類:伝統的な「木棺(もっかん)」(桐や檜など)、表面に美しい布が張られた「布張棺(ぬのばりかん)」、近年では故人の趣味や好きだった色を反映したデザイン性の高いものもあります。
- 費用:葬儀プランには標準的なものが含まれていますが、多くの場合、グレードアップのオプションとして提案されます。費用は数万円のものから、彫刻が施された数十万円以上するものまで様々です。
骨壷(こつつぼ)
火葬後、故人様のご遺骨(お骨)を納めるための壷です。
- 種類:白い陶磁器が一般的ですが、大理石やガラス製のもの、美しい絵柄が描かれたものなど、材質やデザインは多岐にわたります。
- サイズ:地域によって骨壷の大きさが異なります。東日本ではご遺骨のすべてを納める「全骨収骨(ぜんこつしゅうこつ)」が多いため7寸(約21cm)程度の大きな壷を、西日本では主要な骨のみを納める「部分収骨(ぶぶんしゅうこつ)」が多いため5寸(約15cm)程度の小さな壷を使う傾向があります。
骨箱(こつばこ)
骨壷を納めるための外箱です。通常、白木や桐でできており、骨壷を衝撃から守ります。骨壷とセットで用意されることがほとんどです。多くの場合、この骨箱をさらに「骨壷覆い(こつつぼおおい)」と呼ばれる錦織などの美しい布製カバーで包みます。
5. 祭壇・お供えに関する用語
祭壇(さいだん)
通夜や葬儀・告別式において、ご遺影や供物などを飾り、故人様を祀るための中心となる場のことです。
- 白木祭壇:寺院の本堂を模した、伝統的な白木造りの祭壇。荘厳で格式高い雰囲気になります。
- 花祭壇:故人が好きだった花や色合いで自由にデザインできる、生花を中心とした祭壇。近年、宗教を問わず非常に人気があります。
費用:祭壇費用の中で、棺と並んで価格を大きく左右する項目です。プランに含まれる基本の祭壇から、オプションでどれだけ豪華にするかで、数十万円単位で費用が変わります。
供花(きょうか・くげ)
故人へのお供えとして送られるお花のことです。「○○一同」といった名札を立てて祭壇の周りに飾られます。親族や会社関係者からの申し出があった場合、喪主側で取りまとめ、葬儀社に一括で発注するのが最もスムーズです。これにより、祭壇の統一感が保たれます。
● 注意点
外部の花屋からの持ち込みは、斎場のルールで禁止されていたり、持ち込み料がかかったりする場合があります。
供物(くもつ)
故人へのお供え物で、果物や缶詰、お菓子などが籠に盛られて祭壇の脇に飾られます。供花と同様に、葬儀社を通じて手配するのが一般的です。
遺影(いえい)
祭壇の中央や式場の入口に飾られる、故人様の肖像写真です。
選び方:ピントが合っていれば、スナップ写真やデータからでも作成可能です。故人の人柄が偲ばれる、なるべく新しい、良い表情の写真を選びましょう。葬儀社が背景を消したり、服装を修正したり(例:私服を礼服にする)といった加工をしてくれます。
6. 参列者・香典に関する用語
会葬者(かいそうしゃ)/弔問客(ちょうもんきゃく)
- 会葬者:通夜や葬儀・告別式に参列する人全般を指す言葉です。
- 弔問客:葬儀の前後に、故人を悼むためにご遺族のもと(ご自宅や安置場所)を訪れる人を指します。
香典(こうでん)
故人の霊前に供える金品のことです。本来は「お香をお供えする」という意味でしたが、現代では現金を包むのが一般的です。ご遺族にとっては、葬儀費用の一部に充てる助けともなります。
香典返し(こうでんがえし)
いただいた香典に対するお返しです。
- 相場:いただいた香典の「半返し(半額)」から「3分の1返し」が目安です。
- 時期:忌明け(仏式では四十九日)の法要後に送る「後日返し」が伝統的ですが、近年は葬儀当日に一律の品物をお渡しする「当日返し(即日返し)」も増えています。
返礼品(へんれいひん)
当日、参列してくださった方へのお礼の品です。「香典返し」と混同されがちですが、厳密には異なります。
- 会葬御礼品:香典の有無にかかわらず、参列者全員にお渡しするお礼の品(500円〜1,000円程度のお茶やハンカチなど)。
- 香典返し(即日返し):香典をいただいた方にお渡しする品(2,000円〜3,000円程度)。
地域や葬儀社によっては、これらを総称して「返礼品」と呼ぶ場合もあります。
粗供養(そくよう)
主に関西地方で使われる言葉で、「粗末な品ですが、ご供養のしるしです」という意味合いがあります。「香典返し(即日返し)」とほぼ同じ意味で使われることが多いです。
会葬礼状(かいそうれいじょう)
葬儀に参列してくださったことへの感謝を伝えるためにお渡しするお礼状です。通常、返礼品(会葬御礼品や即日返し)に添えられます。
7. 儀式の流れに関する用語
通夜(つや)
葬儀・告別式の前夜に行われる儀式です。本来は、家族や近親者が夜通し故人に付き添い、お線香やろうそくの火を絶やさずに見守るものでした。
現代:近年は、夕方18時〜19時頃から1〜2時間程度、僧侶による読経と参列者の焼香を行う「半通夜(はんつや)」が一般的です。仕事終わりの方なども参列しやすい儀式です。
葬儀・告別式(そうぎ・こくべつしき)
厳密には「葬儀」と「告別式」は異なります。
- 葬儀:僧侶が故人を仏の弟子にし、浄土へ導くための宗教的な儀式。
- 告別式:故人と縁のあった人々が、最後お別れをする社会的な儀式。
現代では、この二つを区別せず、一連の流れとして「葬儀・告別式」と呼ぶのが一般的です。
出棺(しゅっかん)
告別式が終わり、故人様を納めた棺が、斎場から火葬場へ向けて出発することです。出棺の前には、ご遺族や親しい方々が棺の蓋を開け、お花や故人の愛用品(燃えやすいもの)を納める「最後のお別れ(花入れの儀)」が行われる、非常に感動的な場面です。
収骨(しゅうこつ)/骨上げ(こつあげ)
どちらも同じ意味で、火葬後、故人様のご遺骨を骨壷に納める儀式を指します。火葬場で、近親者が二人一組でお箸を使い、ご遺骨を骨壷に納めていきます。地域によって収骨の方法(全骨を拾うか、主要な骨だけを拾うか)が異なります。
通夜振る舞い(つやぶるまい)
お通夜の後、弔問客に振る舞われる食事やお酒のことです。故人への供養と、弔問客への感謝の意味が込められています。関東では一般の参列者も一口箸をつけるのが通例ですが、関西では親族のみで食事をするなど、地域差があります。
精進落とし(しょうじんおとし)
火葬や初七日法要の後、僧侶や親族、お手伝いいただいた方々をねぎらうために設けられる会食の席です。
本来の意味:仏教では、忌中(四十九日まで)は肉や魚を断つ「精進料理」を食べる習わしがありましたが、その「忌明け」の食事という意味がありました。
現代:葬儀当日に初七日法要を繰り上げて行うことが増えたため、火葬後にその両方の意味を込めて、僧侶や親族への感謝を伝える宴席として行われています。
8. 喪の期間・法要に関する用語
忌中(きちゅう)
故人が亡くなられた日から、仏式の四十九日法要まで(神式では五十日祭まで)の期間を指します。
意味:死の「穢(けが)れ」がまだ残っている期間とされ、この間、ご遺族は外部との接触をなるべく避け、故人の冥福を祈ることに専念します。
控えること:結婚式などの慶事への出席、神社への参拝(鳥居をくぐる)、新年のご挨拶(年賀状など)は控えるのが一般的です。
喪中(もちゅう)
故人を偲び、喪に服する期間のことです。一般的に、故人が亡くなってから1年間(一周忌法要まで)を指します。
- 忌中との違い:忌中が「穢れ」を払い、身を慎む期間であるのに対し、喪中は「故人を偲ぶ」期間であり、忌中よりも範囲が広い概念です。
- 控えること:忌中と同様に慶事への出席は控えますが、忌明け(四十九日)を過ぎれば、神社への参拝などは差し支えないとする考え方もあります。年末には「喪中はがき(年賀欠礼状)」を出し、新年の挨拶を控える旨を伝えます。
| 項目 | 忌中(きちゅう) | 喪中(もちゅう) |
|---|---|---|
| 期間 | 亡くなってから49日間(仏式) | 亡くなってから約1年間 |
| 意味 | 死の穢れを払い、身を慎む期間 | 故人を偲び、喪に服する期間 |
| 控えること | 慶事への出席、神社参拝、新年の挨拶など | 慶事への出席、新年の挨拶(喪中はがき) |
四十九日(しじゅうくにち)
仏教において、故人の魂が、あの世でどのような裁きを受けるかが決まる、最も重要な日とされています(宗派により解釈は異なります)。亡くなった日を1日目として、49日目にあたります。
法要:この日に合わせて、ご遺族や親族が集まり、「四十九日法要(忌明け法要)」を営みます。この法要をもって、故人の魂は無事に浄土へ旅立ち、ご遺族は「忌明け」となります。
忌明け(きあけ)
「忌中」が終わることを指します。一般的に、この四十九日法要をもって「忌明け」とし、ご遺族は通常の生活に戻ります。
行うこと:忌明けに合わせて、香典返し(後日返しの場合)を発送したり、白木位牌から本位牌へ魂を移す法要(開眼供養)を行ったり、納骨を行ったりします。
位牌(いはい)
故人の戒名(法名)や俗名、死亡年月日などを記した木製の札のことです。故人の魂が宿る依り代(よりしろ)とされ、礼拝の対象となります。
白木位牌(しらきいはい):葬儀の際に祭壇に飾られる、仮の位牌です。
本位牌(ほんいはい):四十九日法要までに用意する、黒塗りや唐木(紫檀・黒檀など)で作られた、ご自宅のお仏壇に安置するための正式な位牌です。四十九日法要で、僧侶に魂入れ(開眼供養)をしてもらいます。
戒名(かいみょう)
仏式において、仏様の弟子になった証として、故人に授けられる名前のことです。菩提寺の僧侶につけていただくのが一般的です。
- 構成:宗派によって異なりますが、「○○院」「道号」「戒名」「位号(信士・信女、居士・大姉など)」で構成されることが多いです。
- 費用:戒名料(お布施)としてお寺に納めます。金額は、お寺との関係性や、授かる戒名の「位」によって大きく異なります。
法名(ほうみょう)
主に浄土真宗で使われる呼び方です。浄土真宗では、亡くなるとすぐに阿弥陀如来の力で浄土に往生するという教えのため、「戒律」を守るという意味での「戒名」ではなく、「法名」と呼びます。院号や位号(信士など)は原則としてありません。
法号(ほうごう)
主に日蓮宗で使われる呼び方です。戒名の上に「法号」として「日○」といった文字が付けられます。
9. 供養・納骨に関する用語
納骨(のうこつ)
火葬後、骨壷に納めたご遺骨を、お墓や納骨堂に安置することです。
時期:四十九日法要(忌明け)に合わせて行うのが一般的ですが、決まりはありません。一周忌や三回忌、お盆やお彼岸など、ご遺族のタイミングの良い時に行います。
手続き:納骨の際には、お寺や霊園の管理事務所への連絡と、火葬場で受け取った「埋葬許可証(火葬許可証に火葬執行済の印が押されたもの)」の提出が必須です。
永代供養(えいたいくよう)
お墓の承継者(跡継ぎ)がいない方に代わって、お寺や霊園が、永代にわたってご遺骨を管理・供養してくれる仕組みです。
特徴:多くの場合、一定期間(例:三十三回忌まで)は個別の骨壷で安置され、その後は他の方のご遺骨と一緒に「合祀墓(ごうしぼ)」に移されます。
費用:最初に永代供養料を支払えば、その後の年間管理費が不要なケースが多いです。
樹木葬(じゅもくそう)
墓石の代わりに、樹木(シンボルツリー)を墓標とし、その周辺にご遺骨を埋葬する自然志向の供養方法です。
特徴:「自然に還りたい」というニーズに応え、近年急速に人気が高まっています。永代供養がセットになっているプランがほとんどです。
散骨(さんこつ)
ご遺骨を粉末状(2mm以下程度)にし、海や山などに撒く供養方法です。
注意点:法律で禁止されているわけではありませんが、「節度をもって行う」必要があり、他人の私有地や自治体の条例で禁止されている場所には撒けません。必ず、専門の散骨業者のルールに従って行う必要があります。
手元供養(てもとくよう)
ご遺骨のすべて、または一部を、お墓に納めずに自宅などに置き、身近で供養する方法です。
種類:小さな骨壷(ミニ骨壷)を仏壇に置いたり、ご遺骨をペンダントやダイヤモンドなどに加工して身につけたりするなど、様々な形があります。
| 供養方法 | 特徴 | 費用目安(初期費用) |
|---|---|---|
| 一般墓 | 先祖代々のお墓を建立・承継する | 150万〜300万円 |
| 永代供養墓 | お寺・霊園が永続的に供養・管理 | 30万〜150万円 |
| 樹木葬 | 樹木を墓標とする | 20万〜80万円 |
| 納骨堂 | 屋内施設にご遺骨を安置する | 50万〜150万円 |
| 散骨 | 海や山にご遺骨を撒く | 10万〜30万円 |
| 手元供養 | 自宅で保管・供養する | 1万円〜 |
エンディングノート
ご自身の終末期医療の希望、葬儀やお墓の希望、財産のこと、家族へのメッセージなどを書き留めておくノートです。
【重要】遺言書とは異なり、法的な拘束力はありません。しかし、故人様がエンディングノートを遺してくれていた場合、それはご遺族が葬儀プランを決める上で、何よりも尊重すべき「故人の想い」となります。まずは探してみましょう。
10. その他の葬儀用語
死装束(しにしょうぞく)
故人様を納棺する際にお着せする衣装のことです。
- 伝統:仏式では、経帷子(きょうかたびら)という白い着物に、手甲(てっこう)、脚絆(きゃはん)、頭陀袋(ずだぶくろ)などを身につける、いわゆる「巡礼者の旅支度」をさせることが一般的でした。
- 現代:現在は、故人様が生前お気に入りだったスーツやワンピース、趣味の衣装などを着せるケースも増えています。これらは葬儀プランに含まれていることが多いため、どのような衣装が用意されているか、希望が出せるか、葬儀社に確認しましょう。
遺体安置所(いたいあんちじょ)
ご逝去後、火葬までの間、ご遺体をお預かりする専用の施設です。
必要なケース:ご自宅の事情(マンションの規約、スペースがない等)で安置できない場合や、火葬場が混雑していて待機日数が長くなる場合に利用します。葬儀社が自社の施設を持っている場合と、民間の専門施設を利用する場合があります。
受付(うけつけ)
通夜や葬儀・告別式の会場の入口で、参列者(会葬者)をお迎えし、香典をお預かりし、返礼品をお渡しする係です。
誰がやるか:親族が直接行うことは少なく、故人の会社関係の方や、ご近所の方、喪主の友人などに依頼するのが一般的です。最近では、葬儀社が受付業務を代行する(有料オプション)ケースも増えています。
焼香(しょうこう)
仏式葬儀において、故人や仏様に対し、香(お香)を焚いて拝むことです。お香の香りによって心身を清め、故人の冥福を祈る意味があります。
作法:抹香(まっこう)と呼ばれる粉末状のお香を、指で少量つまみ、香炉の炭にくべます。宗派によって、お香をつまむ回数や、額にいただく(押しいただく)かどうかが異なりますが、心を込めて拝むことが最も大切です。
看取り(みとり)
「看取り」とは、ご家族や近親者が、故人様の最期をそばで見守ることを指します。近年では、ご自宅や介護施設などで、ご本人の希望に沿った穏やかな最期を医療・介護チームと共に迎える「看取りケア」という言葉も広く使われるようになりました。病院で亡くなられた場合、医師による死亡確認後、葬儀社が迎えに上がるまでの間、看護師によって「エンゼルケア(死後処置)」が施されます。この時間が、ご家族が故人様とゆっくり過ごせる最初の時間となります。
枕飾り(まくらかざり)
故人様をご安置した後、枕元に設ける小さな仮の祭壇のことです。仏式の場合、小さな机(経机)の上に、香炉、燭台、花立(「三具足(みつぐそく)」と呼びます)を置き、お線香をあげられるように準備します。枕飯(一膳飯)や団子、お水などもお供えします。これは、葬儀社が安置後すぐに整えてくれるのが一般的です。「お線香の火を絶やしてはいけない」と聞いたことがあるかもしれませんが、現在はご家族の負担や安全を考慮し、長時間燃焼する渦巻き型のお線香や、火を使わない電子線香を使用することがほとんどです。無理のない範囲で故人様にお付き合いください。
葬祭ディレクター(そうさいディレクター)
葬儀全般の知識と技能を持つ、いわば「お葬式のプロフェッショナル」です。厚生労働省が認定する技能審査制度であり、葬儀の相談、式場の設営、儀式の進行、関係各所の手配、さらにはアフターフォローまで、葬儀に関するすべてを統括する中心的な役割を担います。皆様が葬儀で最初に出会い、最後まで伴走する最も重要なパートナーです。打ち合わせの際は、どんな些細なことでも不安や疑問、ご希望(「故人はこういう人だった」「こんな風に送りたい」)を遠慮なくお話しください。経験豊富なディレクターは、皆様の想いを形にするための最善の提案をしてくれます。
喪服(もふく)
葬儀や法事の際に着用する、黒を基調とした服装です。喪服には格式があり、主に3つの種類に分けられます。
| 種類 | 着用する人 | 服装の例(男性) | 服装の例(女性) |
|---|---|---|---|
| 正喪服 | 喪主、三親等までの遺族 | 和装(紋付羽織袴)/洋装(モーニングコート) | 和装(黒無地五つ紋)/洋装(ブラックフォーマル) |
| 準喪服 | 遺族、親族、一般会葬者 | ブラックスーツ | ブラックフォーマル(ワンピース、アンサンブル等) |
| 略喪服 | 一般会葬者、三回忌以降の法事 | ダークスーツ(濃紺、チャコールグレー等) | 控えめなデザインのダークカラーの服装 |
現在、喪主やご遺族であっても「準喪服(ブラックスーツ、ブラックフォーマル)」を着用するのが一般的です。通夜は「取り急ぎ駆けつける」という意味合いから略喪服でも良いとされてきましたが、近年では通夜から準喪服を着用する方がほとんどです。ご準備が間に合わない場合は、葬儀社でレンタルできることも多いのでご相談ください。
数珠(じゅず)
仏式の葬儀や法要の際に手に持つ法具です。念珠(ねんじゅ)とも呼ばれます。仏様を拝む際に手にかけ、魔除けや功徳の道具とされています。数珠には、宗派ごとに形が異なる「本式数珠」と、どの宗派でも使える「略式数珠(片手数珠)」があります。ご自身の宗派が分かっていれば本式、そうでなければ略式で全く問題ありません。
● 注意点
数珠は「個人のもの」ですので、原則として貸し借りはしません。お持ちでない場合は、葬儀社や仏具店、デパートなどでも購入できます。
生花(せいか・きょうか)
葬儀の際に祭壇の周りに飾られる、お名前の札(芳名札)がついた大きな花(供花スタンド)のことを指す場合が多いです。一般的に「生花(せいか)」または「供花(きょうか、くげ)」と呼ばれます。親族、会社関係、ご友人などから送られるもので、故人様との関係性に応じて、祭壇に近い場所(=血縁の濃い順)から並べていくのが一般的です。皆様(喪主側)がご自身で用意するものではありませんが、どなたから頂いたかを把握し、後日お礼(香典返しや礼状)をするためにリスト化しておく必要があります。葬儀社がすべて取りまとめてくれますのでご安心ください。
弔辞(ちょうじ)
故人様への最後のお別れの言葉(追悼の辞)です。故人様と特に親しかったご友人、恩師、会社の上司などが、故人様の人柄や思い出、追悼の意を込めて読み上げます。弔辞は、ご遺族(喪主)から特定の方へお願いするのが一般的です。どなたかにお願いしたい場合は、早めにその方へ依頼の連絡を入れましょう。葬儀社に「弔辞を○○様にお願いしました」と伝えておけば、当日の進行に組み込んでもらえます。
弔電(ちょうでん)
やむを得ない事情で葬儀に参列できない方が、お悔やみの気持ちを電報(テレグラム)にして送るものです。弔電は葬儀式場宛に続々と届きます。葬儀社のスタッフが受け取り、芳名(お名前)や肩書き、故人様との関係性などを確認し、読み上げる順番を整理します。告別式の最中に、司会者からお名前とメッセージの一部が読み上げられます。頂いた弔電は、後日お礼状をお送りするために、すべて大切に保管しておきましょう。
引導(いんどう)
仏式の葬儀、特に禅宗(曹洞宗、臨済宗など)において非常に重要な儀式です。「導師(どうし)」と呼ばれる高僧が、故人様が迷わず悟りの世界(彼岸)へ旅立てるよう「導く」ための法語や教えを説きます。儀式のクライマックスにあたり、導師が「喝(カーツ)!」と大きな声を出したり、松明(たいまつ)を模した大切な道具を使ったりすることがあります。これらは故人様の煩悩を断ち切り、成仏を願うための大切な宗教儀礼ですので、驚かずに見守ってください。
献花(けんか)
仏式の「お焼香」の代わりに、祭壇へ花を捧げてお別れをする儀式です。主にキリスト教式のお葬式や、宗教色のない「お別れの会」「無宗教葬」などで広く行われます。多くの場合、カーネーションや菊などの生花(茎が長いもの)が一人ひとりに配られます。祭壇に進み、花の根元(茎)をご遺影に向け、両手で静かに献花台へ置きます。その後、深く一礼(または黙祷、合掌)して席に戻ります。作法は司会者が案内してくれますので、ご安心ください。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神道(神式)の葬儀における儀式で、仏式の「お焼香」にあたるものです。「玉串」と呼ばれる、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)という白い紙をつけたものを、神様(故人様の御霊)に捧げます。
作法が少し特徴的です。
- 1. 神職から玉串を両手で受け取ります。
- 2. 祭壇に進み一礼します。
- 3. 根元を祭壇に向け、時計回りに90度回して、玉串を立てるように持ちます。
- 4. さらに時計回りに180度回し、根元を祭壇に向けて玉串台に捧げます。
- 5. 「二礼二拍手一礼」(拍手は音を立てない「しのび手」)を行います。
これも神職や司会者が丁寧に案内してくれますので、見よう見まねでも失礼にはあたりません。
出棺式(しゅっかんしき)
葬儀・告別式が閉式した後、故人様を乗せたお棺が火葬場へ向けて出発する際に行う、最後のセレモニーです。一般的に、ご遺族、ご親族、親しいご友人の皆様で、祭壇のお花(別れ花)を棺の中に入れ、故人様のお顔の周りを飾ります。これが故人様のお顔を見られる最後の瞬間となります。その後、棺の蓋を閉じ(「釘打ち」の儀式を行う場合もあります)、男性のご親族中心に霊柩車まで運びます。喪主が位牌を、他のご遺族が遺影を持って霊柩車や随行の車に乗り込み、火葬場へ向かいます。
初七日法要(しょなのかほうよう)
仏式において、故人様が亡くなられた日(命日)から数えて7日目に行う法要です。故人様が三途の川を渡り、裁きを受ける重要な日とされています。本来は命日から7日目にご遺族・ご親族が再び集まって行うものですが、現代では皆様の負担を考慮し、葬儀・告別式の当日に、火葬後(または火葬前)に繰り上げて行う「繰り上げ初七日法要」が主流です。葬儀社のプランにも、あらかじめ組み込まれていることが多いです。
会葬御礼(かいそうごれい)
葬儀に参列してくださった方(会葬者)へ、感謝の気持ちを込めてお渡しする品物(御礼品)や、挨拶状(御礼状)のことです。これは「香典返し(こうでんがえし)」とは異なります。
- 会葬御礼:参列してくれたこと(弔問)への感謝のしるし。香典の有無にかかわらず全員にお渡しします。(500円〜1,000円程度の海苔、お茶、ハンカチなど)
- 香典返し:頂いた香典(お悔やみの金品)へのお返し。後日(四十九日法要後など)に、頂いた金額の1/3〜半額程度の品物をお送りするのが一般的です。(最近は当日にお返しする「即日返し」も増えています)葬儀社が会葬者の人数を予測して、御礼品を準備してくれます。
後飾り祭壇(あとかざりさいだん)
火葬場からご自宅へ戻られたご遺骨、お位牌、ご遺影などを、四十九日法要(忌明け)までお祀りするための祭壇です。「中陰壇(ちゅういんだん)」とも呼ばれます。通常、二段または三段の白い布で覆われた祭壇です。ご遺族が火葬場へ行っている間に、葬儀社のスタッフが自宅に設置し、お線香などを準備しておいてくれるのが一般的です。ご家族は、この祭壇の前で毎日お水やお線香をあげ、四十九日まで故人様を供養します。
式場使用料(しきじょうしようりょう)
お通夜、葬儀・告別式を行うための「場所代」です。葬儀費用の中でも大きな割合を占める項目の一つです。式場には、葬儀社が自社で所有する「自社ホール(セレモニーホール)」、自治体が運営する「公営斎場」、民間が運営する「貸斎場」、お寺の「檀家会館」などがあります。
- 公営斎場:その自治体の住民であれば、非常に安価(数万円程度)で利用できることが多いですが、人気が高く予約が取りにくい場合があります。
- 自社ホール・貸斎場:設備が充実しており、柔軟な対応が可能ですが、使用料は比較的高額(15万円〜数十万円)になる傾向があります。
火葬料金(かそうりょうきん)
故人様をご火葬する際、火葬場(斎場)に支払う料金です。この料金は、お住まいの地域(住民票の場所)によって大きく異なります。多くの公営火葬場では、その自治体の住民(「市民」「区民」)であれば無料または非常に安価(1万円前後)ですが、住民以外(「市外」「区外」)の方が利用する場合は、5万円〜10万円程度と高額になる場合があります。また、火葬中の待合室(控室)の使用料や、骨壷の料金が別途必要になるかも確認が必要です。
控室使用料(ひかえしつしようりょう)
式場使用料とは別に、ご遺族やご親族が待機・休憩・会食・仮眠(お清め)するために使用する部屋の料金です。葬儀社の見積もりで「式場使用料」に含まれているのか、「別途」なのかを確認しましょう。特に、お通夜の後に故人様と最後の夜を共にする「付き添い安置(仮眠)」を希望される場合、そのための控室(和室など)の使用料が追加でかかることが一般的です。