葬儀社の選び方に関するQ&A

もしもの時に慌てない。

「後悔しないお葬式」のための葬儀社選びとプランの作り方

大切な家族が亡くなった直後、深い悲しみの中で、葬儀の準備という待ったなしの現実に直面します。しかし、多くの人が「何から手をつければいいのか分からない」「費用はいくらかかるのか」といった不安を抱えています。

お葬式は、故人を見送る一度きりの大切な儀式。後から「こうすればよかった」と悔やむことがないように、正しい知識を身につけて、冷静に判断することが重要です。このQ&Aが、あなたが故人を偲び、心からのお見送りをするための、確かな道しるべとなれば幸いです。

故人らしさを大切に、そして遺された家族の負担も考えながら、最適な形を見つけましょう。

葬儀プランは、様々な要素の組み合わせで成り立っています。それぞれの意味と選択肢を理解し、あなたと故人にとって最適な形を見つけましょう。

ご逝去直後で、情報収集の時間も限られている中、焦ってしまうのは当然です。まずは、信頼できる情報源から、効率的に情報を集めましょう。

▼葬儀社探しの主な情報源

情報源 メリット デメリット
インターネットの葬儀社紹介サイト ・24時間365日、複数の葬儀社を比較検討できる
・料金プランが明示されていることが多い
・利用者の口コミを参考にできる
・情報量が多すぎて、かえって迷うことがある
・サイトによって提携している葬儀社が異なる
互助会・JA・生協など ・会員であれば、割引価格で利用できる
・比較的安心感がある
・会員でないと利用できない、または割高になる
・プランの自由度が低い場合がある
病院から紹介される葬儀社 ・すぐに駆けつけてくれるため、手間がかからない ・断りにくい雰囲気がある
・比較検討ができないため、費用が割高になる傾向がある
友人・知人・親戚からの口コミ ・信頼性が高く、リアルな情報を得られる ・個人の主観が強く、必ずしも自分に合うとは限らない
地域の自治体・消費者センター ・地域の葬儀社のリストや、トラブル事例などの情報を提供してくれる ・特定の葬儀社を推薦してくれるわけではない

【まずやるべきこと】

時間がない中でも、インターネットの葬儀社紹介サイトを2〜3つ見て、地域の葬儀社の候補を3社ほどリストアップすることから始めましょう。病院から紹介された場合でも、「少し考えさせてください」と即決を避け、比較検討する姿勢が大切です。

葬儀費用は、葬儀の形式や規模、地域によって大きく異なりますが、全国的な平均費用は減少傾向にあります。経済産業省の調査を基にしたデータでは、2022年の葬儀費用の全国平均は約110.7万円とされています。

しかし、これはあくまで一般葬も含めた平均です。葬儀に参列する人数や地域等によってはこれより高くなることもあります。また、近年主流となっている家族葬では、もっと費用を抑えることが可能です。

▼葬儀形式別の費用相場(目安)

葬儀形式 費用相場 特徴
一般葬 100万〜200万円 家族や親族、友人、会社の同僚など、広く参列者を招く伝統的な形式。
家族葬 40万〜100万円 家族や親しい友人など、少人数でゆっくりと見送る形式。近年最も選ばれている。
一日葬 30万〜60万円 通夜を行わず、告別式と火葬を1日で行う形式。
直葬(火葬式) 15万〜30万円 通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う最もシンプルな形式。

【注意点】

この費用には、飲食接待費(通夜振る舞いなど)や、寺院費用(お布施など)は含まれていない場合が多いです。最終的に必要な総額はいくらになるのか、見積もりの段階でしっかり確認することが重要です。

はい、時間的に可能であれば、必ず2〜3社から見積もりを取りましょう。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか、内容が適切なのかを判断できません。相見積もりは、適正価格を把握し、不要なサービスを削ぎ落とす上で最も有効な手段です。

▼葬儀見積もり比較チェックリスト 見積書を横に並べて、以下の項目を一つひとつチェックしましょう。

  • 葬儀一式の内訳は明確か? 「祭壇一式」などと一括りにせず、「祭壇」「棺」「骨壷」「遺影写真」など、項目ごとに料金が明記されているか。
  • 項目ごとの単価は妥当か? 他社の同じ項目と比べて、極端に高いものはないか。特に、棺や骨壷はグレードによって価格が大きく変わるため注意。
  • 数量や日数は合っているか? ドライアイスの日数、寝台車の距離、会葬礼状の枚数などが、想定と合っているか。
  • 別途費用・変動費用が明記されているか? 「飲食接待費」「返礼品費用」「宗教者へのお礼」など、見積もりに含まれない費用が何か、きちんと説明されているか。
  • 火葬料金や斎場利用料は含まれているか? これらの実費が見積もりに含まれているか、それとも別途支払いなのかを確認。
  • オプションと必須項目の区別はつくか? 「湯灌(ゆかん)」や「エンバーミング」など、必ずしも必要ではないオプションが、当然のように含まれていないか。

「総額」だけで比較せず、何が含まれ、何が含まれていないのか、その「中身」を精査することが、後悔しないための鍵です。

ご逝去直後は、誰でも冷静な判断が難しくなります。そんな時こそ、以下の3つのコツを思い出してください。

1. その場で即決しない
病院で紹介された葬儀社や、最初に連絡した葬儀社が「すぐに決めないと」と急かしてきても、「家族と相談してから決めますので、少し時間をください」と、一度保留する勇気を持ちましょう。数時間考えるだけでも、心は落ち着きます。

2. 一人で決めない
必ず、兄弟姉妹や信頼できる親戚など、複数の人で相談して決めましょう。一人では見落としてしまう点も、他の人が気づいてくれます。金銭的な判断が必要な場面では、客観的な意見が非常に重要です。

3.「故人ならどう思うか」を考える
プランに迷った時は、「故人は派手なことが好きだったか?」「たくさんの人に囲まれることを望むだろうか?」と、故人の人柄や価値観に立ち返ってみましょう。それが、みなさまらしいお葬式を作るための、一番の道しるべになります。

価格の安さだけでなく、故人と遺族に寄り添ってくれる、信頼できる葬儀社を選ぶことが、後悔しないお葬式に繋がります。

▼信頼できる葬儀社の見極めポイント

  • 見積書が明朗で分かりやすい:Q3のチェックリストの通り、詳細な内訳が記載されており、質問にも丁寧に答えてくれる。
  • 話をじっくり聞いてくれる:すぐにプランや商品を勧めるのではなく、まず故人の人柄や、遺族がどんなお見送りをしたいのかを、時間をかけてヒアリングしてくれる。
  • メリットだけでなく、デメリットも説明する:「このプランは費用を抑えられますが、お別れの時間が短くなります」というように、各選択肢の良い点と悪い点を公平に説明してくれる。
  • 契約を急かさない:「今決めないと」「今日だけの特別価格」といった言葉で契約を迫らず、遺族が納得するまで考える時間を与えてくれる。
  • 自社斎場や安置施設を持っている:必ずしも必須ではありませんが、自社施設を持っている会社は、地域に根ざした経営基盤が安定していることが多いです。
  • 各種認定や認証を受けている:経済産業省が認定する「JECIA(ジェシア)葬儀業務評価制度」で高評価を得ているかなども、一つの判断基準になります。

はい、非常に重要です。葬儀の担当者は、ご逝去から葬儀が終わるまで、さらにはその後の手続きまで、遺族に最も寄り添うパートナーとなります。担当者との相性が、葬儀の満足度を大きく左右すると言っても過言ではありません。

▼良い担当者を見極めるポイント

  • 身だしなみと態度:清潔感があり、言葉遣いが丁寧。遺族の悲しみに配慮した、落ち着いた態度で接してくれるか。
  • 傾聴力:こちらの話を遮らず、最後まで真摯に耳を傾けてくれるか。故人の思い出話などをした際に、共感的な姿勢を示してくれるか。
  • 提案力:遺族の希望や予算、故人の人柄を踏まえた上で、「〇〇様でしたら、こんなお見送りはいかがでしょうか」と、具体的な提案をしてくれるか。
  • 説明の分かりやすさ:専門用語を多用せず、費用のことや手続きの流れを、素人にも分かりやすく説明してくれるか。
  • レスポンスの速さと正確さ:不明な点についての問い合わせに、迅速かつ的確に回答してくれるか。

「この人になら、大切な父(母)の最期を任せられる」と、心から思えるかどうか。その直感を大切にしてください。

「最初の見積もりより、最終的な請求額が大幅に高くなった」というのは、葬儀で最も多いトラブルの一つです。追加料金の発生を防ぐには、見積もりに「含まれないもの」を事前に把握しておくことが重要です。

▼見積もり以外にかかる主な費用

費用の種類 内容・目安
①飲食接待費 ・通夜振る舞いや精進落としの料理、飲み物代。
・参列者の人数によって大きく変動する。
②返礼品費用 ・香典返しや会葬御礼品代。
・これも参列者の人数によって変動する。
③宗教者へのお礼
(お布施やお車代など)
・読経や戒名(法名)をいただいたお礼。
・金額が決まっていないため、葬儀社に相場を確認するのが一般的。
④火葬料金 ・公営か民営か、地域によって大きく異なる。
・見積もりに実費として含まれているか要確認。
⑤式場利用料 ・公営斎場か、民営斎場か、自社ホールかで大きく異なる。
・安置日数が増えると、追加料金がかかる場合がある。

特に①と②は、参列者の人数によって大きく変動する費用です。見積もりの段階で、「参列者が〇人増えた場合、総額はいくら増えますか?」と、具体的なシミュレーションをしてもらうと安心です。

近年、葬儀の形式は多様化しています。故人の遺志や、遺族の状況に合わせて、最適な形式を選びましょう。

▼葬儀形式のメリット・デメリット比較

形式 メリット デメリット こんな方におすすめ
家族葬 ・費用を抑えられる
・親しい人だけで、ゆっくりお別れができる
・参列者の対応に追われない
・後日、弔問客が自宅に個別に来訪し、その対応に追われることがある
・香典収入が少ない
・ごく親しい身近な方だけで見送りたい
・高齢で、多くの参列者への対応が負担
一般葬 ・お世話になった多くの人に、きちんとお別れの場を提供できる
・香典収入が見込める
・費用が高額になる
・遺族は参列者の挨拶対応に追われ、故人を偲ぶ時間が少なくなりがち
・故人が社会的地位のある方だった
・会社の創業者など、仕事関係の弔問客が多い
一日葬 ・通夜を行わないため、遺族の心身の負担が軽減される
・遠方からの参列者も、日帰りで参列しやすい
・費用を抑えられる
・通夜がないため、お別れの時間が短くなる
・菩提寺によっては、認めてもらえない場合がある
・高齢の遺族が多く、2日間の儀式が体力的に厳しい
・費用は抑えたいが、儀式はきちんと行いたい
直葬(火葬式) ・費用を最も安く抑えられる
・時間的な拘束が非常に短い
・お別れの時間がほとんどない
・宗教的な儀式を行わないことが多い
・親族などから「簡素すぎる」と理解を得られない場合がある
・身寄りのない方
・経済的な事情で、費用を極限まで抑えたい
・故人が生前から儀式不要を希望していた

もし生前に葬儀社やプランが決まっていれば、遺族の負担は大幅に軽減されます。しかし、それができなかったからといって、後悔する必要は全くありません。ほとんどの方が、ご逝去後に葬儀社を探し始めています。

【今からでもできること】

●故人のエンディングノートなどを探す
もし故人がエンディングノートや手紙を遺していれば、そこに葬儀に関する希望が書かれている可能性があります。まずは探してみましょう。

●故人の遺志を家族で話し合う
「そういえばお父さん、昔『派手な葬式はするなよ』って言ってたな」「お母さんは、お花が好きだったから、祭壇は花でいっぱいにしてあげたいね」というように、故人の人柄や生前の言葉を家族で思い出し、共有すること。それが、今からできる最高の「生前準備」です。

●事前相談に行く
もしご逝去から通夜まで数日ある場合は、その時間を利用して葬儀社に「事前相談」に行くことも可能です。落ち着いて話を聞くことができます。

はい、可能です。かつては自宅で葬儀を行うのが一般的でした。住み慣れた我が家から、ゆっくりと故人を見送ることができる、非常に温かみのある形式です。

●費用
斎場使用料がかからないため、葬儀費用そのものは安くなる傾向があります。ただし、参列者の人数によっては、料理や返礼品、テントや椅子のレンタルなどで、結果的に斎場で行うのと変わらない、あるいは高くなる場合もあります。

●手間
遺族側の手間は、斎場で行うより格段に増えます。部屋の片付け、家具の移動、近隣への挨拶、参列者のための駐車場の確保、料理の手配、当日の案内や後片付けなど、全てを自分たちで行う必要があります。

【向いているケース】
故人が生前から自宅での葬儀を強く希望していた。参列者がごく少数の家族・親族に限られる。準備や後片付けを手伝ってくれる親戚が多い。自宅葬に対応してくれる葬儀社とよく相談し、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断しましょう。

近年、故人の個性や趣味を反映した「その人らしいお葬式」が増えています。形式にとらわれず、故人への想いを形にすることは、素晴らしい供養になります。

▼故人らしさを演出するアイデア

  • 音楽:故人が好きだった曲をBGMとして流す、あるいは生演奏を取り入れる。
  • 遺影:型にはまった肖像写真だけでなく、趣味を楽しんでいる時や、旅行先での笑顔のスナップ写真などを飾る。
  • メモリアルコーナー:故人の愛用品や、趣味の作品(絵、書、写真など)、思い出の品々を展示するスペースを作る。
  • 好きだった食べ物・飲み物:祭壇にお供えしたり、通夜振る舞いの席で参列者に振る舞ったりする。
  • 花:故人が好きだった花で祭壇を飾る「花祭壇」。
  • オリジナル会葬礼状:定型文だけでなく、故人の人柄が伝わる思い出のエピソードなどを盛り込む。

「こんなこと、できるだろうか?」と思ったら、まずは葬儀社の担当者に相談してみましょう。経験豊富な担当者なら、あなたの想いを形にするための様々な提案をしてくれるはずです。

はい、大丈夫です。ご逝去直後は、正確な参列者の人数を予測するのは非常に困難です。葬儀社もその点は十分に理解しています。

【一般的な進め方】

1. おおよその人数で仮のプランを立てる
まずは、親族や特に親しかった友人、会社関係者などをリストアップし、「おそらく〇〇人くらい」という概算で、見積もりや式場の広さを決めます。

2. 変動する項目を確認する
料理(飲食接待費)と返礼品の数は、最終的な人数が確定してから発注するのが一般的です。担当者と、「いつまでに最終的な人数を確定すれば良いか」を確認しておきましょう。

3. 訃報連絡と並行して人数を把握する
関係各所に訃報の連絡をする際に、参列の意向を確認することで、徐々に正確な人数が見えてきます。人数が多少増減しても柔軟に対応できるのがプロの葬儀社です。あまり心配しすぎず、担当者と密に連携を取りながら進めましょう。

必ずしも必要ではありませんし、失礼にはあたりません。最も大切なのは、故人を悼み、お見送りする「気持ち」です。葬儀の形式は、時代と共に変化しています。

●一日葬
通夜を行わない形式ですが、告別式という儀式はきちんと行います。高齢の遺族や遠方の参列者が多い場合に選ばれる、合理的かつ一般的な選択肢です。

●直葬(火葬式)
儀式を行いませんが、火葬炉の前で僧侶に少しだけ読経してもらう「炉前読経」を行うこともできます。

【注意すべき点】

●菩提寺との関係
特定の菩提寺がある場合、お寺の考えによっては、通夜や告別式を行わない形式を認めてもらえないことがあります。その場合、納骨を断られるなどのトラブルに発展する可能性もあるため、必ず事前にお寺に相談しましょう。

●親族の理解
ご高齢の親族の中には、「通夜も告別式もやらないなんて」と、簡略化された形式に抵抗を感じる方がいるかもしれません。なぜその形式を選んだのか、その理由(故人の遺志、遺族の体力的な問題など)を丁寧に説明し、理解を得ることが大切です。

お葬式は、宗教と深く結びついた儀式です。宗教・宗派によって、式の流れや作法、祭壇の飾り方などが異なります。

【宗教・宗派による主な違い】

●仏式
・流れ:通夜→葬儀・告別式→火葬→初七日法要という流れが一般的。
・特徴:僧侶による読経が行われ、参列者は焼香をします。宗派によって、焼香の作法や用いる数珠、祭壇の飾り方(仏具など)が異なります。故人には戒名(浄土真宗では法名)が授けられます。

●神式(神道)
・流れ:通夜祭→葬場祭→火葬祭→帰家祭と、独自の儀式が行われます。
・特徴:神職が斎主を務め、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。仏教用語(成仏、供養など)は使いません。故人には諡(おくりな)が贈られます。

●キリスト教式
・流れ:カトリックでは通夜の集い→葬儀ミサ・告別式、プロテスタントでは前夜式→葬儀・告別式が一般的。主に教会で行われます。
・特徴:神父や牧師が司式者となり、聖書の朗読や祈り、賛美歌の斉唱などが行われます。献花が中心で、焼香は行いません。

【無宗教葬儀を選ぶ際の注意点】
故人や遺族の希望で、特定の宗教によらない「自由葬」や「音楽葬」などを選ぶことも可能です。

●メリット:宗教的な儀礼にとらわれず、故人の好きだった音楽を流したり、思い出のムービーを上映したりと、自由な形式で故人らしさを表現できます。

●注意点

  • 菩提寺との関係:特定の菩提寺がある場合、無宗教葬儀を行うと、そのお寺への納骨を断られる可能性があります。必ず事前にお寺の許可を得るか、相談する必要があります。
  • 親族の理解:親族の中に、宗教的な儀式を重んじる方がいるかもしれません。なぜ無宗教の形式を選んだのか、その理由を丁寧に説明し、理解を得ておくことが大切です。
  • プランニングが難しい:決まった形式がない分、自分たちで一から内容を考える必要があり、かえって大変になる場合もあります。

祭壇は、葬儀の中心となる最も象徴的なものです。伝統的な「白木祭壇」と、現代的な「花祭壇」の2種類が主流で、デザインや大きさによって費用が大きく変動します。

▼祭壇の種類と費用

種類 特徴 費用の目安
白木祭壇 仏式葬儀で用いられる伝統的な木製の祭壇。寺院の本堂を模した形で、格式や荘厳さを表現します。大きさや彫刻の精巧さで価格が変わります。多くは葬儀社からのレンタルです。 20万〜100万円以上
花祭壇 宗教を問わず選ばれ、生花で飾られた祭壇。故人の好きだった花や色合いで、その人らしさを表現できます。使用する花の種類や量、デザインの複雑さで価格が大きく変わります。 30万〜200万円以上

【費用を抑えるポイント】

葬儀プランに含まれている祭壇は、多くの場合、最もシンプルなものです。担当者から「もう少し華やかにしませんか?」と高価なものを勧められても、予算と故人の人柄を考え、本当に必要かを見極めましょう。故人がこぢんまりとした葬儀を望んでいたのであれば、立派な祭壇にこだわる必要は全くありません。

遺影は、参列者が故人を偲ぶための大切な写真です。祭壇に飾るだけでなく、後々まで自宅に飾られるものなので、その人らしさが伝わる、良い表情の写真を選びたいものです。

【遺影写真の選び方】

  • ピントが合っているか:顔がはっきりと写っていることが大前提です。
  • その人らしい表情か:穏やかな笑顔など、故人の人柄がにじみ出るような写真が最適です。必ずしも証明写真のような真顔である必要はありません。
  • 比較的新しい写真か:あまりに昔の写真だと、参列者が「誰だろう?」と戸惑ってしまう可能性があります。できれば5年以内、少なくとも10年以内に撮影されたものが望ましいです。
  • 服装や背景:スナップ写真でも、葬儀社が背景を消したり、服装をスーツなどに修正してくれたりします。あまり気にしすぎず、表情を最優先に選びましょう。

【準備方法】
昔のアルバムをめくる時間がない場合も想定し、生前のうちに、本人に「お気に入りの一枚」を選んでもらっておくのが最も理想的です。デジタルカメラやスマートフォンのデータからでも作成可能です。できるだけ元データ(オリジナルデータ)を準備しましょう。LINEなどで送られた写真は、画質が劣化している可能性があるため注意が必要です。

香典をいただいた方へのお返しである「香典返し」は、日本の慣習として広く行われています。

【香典返しの基本】

●時期

  • 当日返し(即日返し):通夜や告別式の当日に、香典の額にかかわらず一律の品物をお渡しする方法。後日の手配の手間が省けるため、近年主流になっています。
  • 後日返し:忌明け(仏式では四十九日)後に、いただいた香典の額に応じて品物を送る伝統的な方法。

●相場
いただいた香典の「半返し(半額)」から「3分の1返し」が一般的です。当日返しでは、2,000円〜3,000円程度の品物を用意し、高額の香典をいただいた方には、後日改めて差額分の品物を送ることが多いです。

●品物の選び方
お茶、海苔、お菓子、タオルといった「消えもの(使い切れるもの)」が一般的です。「不祝儀を残さない」という意味合いが込められています。最近では、受け取った側が好きなものを選べるカタログギフトも非常に人気があります。

通夜後の「通夜振る舞い」や、火葬後に行う「精進落とし」は、弔問客やお手伝いいただいた方への感謝を表し、故人を偲ぶための大切な席です。

●必要性
家族葬などで、参列者がごく身内だけの場合は、省略したり、仕出し弁当を配るだけにしたりするケースも増えています。一般葬で参列者が多い場合は、感謝の意を示すために席を設けるのが一般的です。

●費用
料理の内容(大皿料理か、懐石弁当か)と人数によって大きく変動します。一人あたり3,000円〜8,000円が目安です。

●手配
全て葬儀社が手配してくれます。葬儀社と提携している仕出し料理屋のカタログなどを見ながら、予算と人数に合わせてメニューを選びます。会食を行うかどうか、どのような形式にするかは、参列者の顔ぶれや人数、ご遺族の意向によって判断しましょう。

供花(きょうか・くげ)や供物(くもつ)は、故人への弔意を表すために祭壇の周りにお供えするものです。

●手配
親族や会社関係者などから供花・供物の申し出があった場合、喪主や遺族が取りまとめて、担当の葬儀社に一括で発注するのが最もスムーズです。これにより、祭壇周りのデザインや統一感が保たれます。葬儀社は、名札の作成から配置まで、すべて行ってくれます。

●持ち込み
外部の花屋などで手配した供花を持ち込むこと(外注)も可能ですが、斎場のルールによっては持ち込み料がかかったり、そもそも持ち込みが禁止されていたりする場合があります。また、他の供花との見た目のバランスが取れず、祭壇の統一感を損なう可能性もあります。トラブルを避けるためにも、供花・供物は、特別な理由がない限り、葬儀を依頼している葬儀社にまとめてお願いするのが無難です。

火葬場の予約手配は、すべて葬儀社が行います。遺族が直接火葬場に連絡する必要はありません。

【火葬場の混雑状況】
近年、特に都市部では火葬場の予約が取りにくくなっています。亡くなってから火葬まで、1週間以上待つことも珍しくありません。友引の日を休みにする火葬場が多いため、友引の翌日は特に混雑します。火葬場の予約が取れないと、葬儀(通夜・告別式)の日程も決まりません。

【待ち時間が長引く場合】
ご遺体を安置しておく日数が増えるため、安置施設の利用料やドライアイスの追加料金が発生します。葬儀の見積もりを取る際に、「もし火葬が〇日延びた場合、追加費用はいくらになりますか?」と確認しておくと安心です。

かつては葬儀後、数日以内に現金一括で支払うのが一般的でした。しかし、近年は支払い方法も多様化しています。

▼葬儀費用の主な支払い方法

支払い方法 特徴
現金払い 葬儀後、1週間〜10日程度の期限内に、葬儀社の指定口座へ振り込むのが一般的。
クレジットカード払い 対応している葬儀社が増加しています。ポイントが貯まるメリットがありますが、カードの利用限度額に注意が必要です。
葬儀ローン 提携している信販会社のローンを利用して、分割で支払う方法。審査が必要ですが、まとまった現金がない場合に有効です。
生命保険金の直接払い 故人の死亡保険金を、保険会社から葬儀社へ直接支払ってもらうサービス。遺族が現金を立て替える必要がなくなります。

はい、支払えます。葬儀費用は、相続において「債務」として扱われ、故人が遺した相続財産(預貯金など)から支払うことが認められています。必ず、何にいくら使ったか分かるように、領収書を保管しておきましょう。

口座が凍結された後でも、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を利用すれば、他の相続人の同意がなくても、各相続人が一定額(上限150万円)まで預金を引き出し、葬儀費用に充てることができます。また、葬儀費用は、相続税を計算する際に遺産総額から控除することができます。

※相続放棄との関係

原則として、葬儀費用を遺産(相続財産)から支払った場合でも、それだけで「相続財産の処分(単純承認)」とみなされて相続放棄ができなくなることはありません。

ただし、あくまで「身分相応の妥当な範囲」の葬儀費用に限ります。高額すぎる費用や葬儀に無関係な支出は、財産を自分のものとしたとみなされて相続放棄が認められなくなるリスクがあります。

葬儀費用は、見栄や世間体を気にしすぎず、必要なものとそうでないものを見極めることで、賢く抑えることができます。

▼葬儀費用を抑えるためのチェックリスト

  • 葬儀の形式を見直す 一般葬ではなく、家族葬や一日葬を選択するだけで、費用は大幅に抑えられます。
  • 公営斎場を利用する 民営の斎場に比べ、公営の斎場(市や区が運営)は利用料が格段に安いです。
  • 複数の葬儀社から相見積もりを取る 競争の原理が働き、価格交渉の材料にもなります。
  • プラン内容を精査する 祭壇や棺のグレードを必要以上にあげない。オプションは、必要性を検討する。
  • 参列者の人数を絞る 飲食接待費や返礼品費用は、人数の影響を最も受けます。
  • 自治体の補助金(葬祭費)を確認する 国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬儀後に申請すれば、自治体から3万円〜7万円の葬祭費が支給されます。忘れずに申請しましょう。

病院などから葬儀社に初めて電話する際は、気が動転しているかもしれません。最低限、以下の4つのことを伝え、質問すれば大丈夫です。

【最初の電話で伝えること・聞くこと】

  • 聞くこと① お迎えに来てもらうまでの時間:「あと、どのくらいで到着されますか?」
  • 聞くこと② 安置場所の相談:「自宅に安置できないのですが、そちらで預かってもらえますか?」
  • 聞くこと③ 概算の費用問い合わせ:「〇〇(場所)までのお迎えと、〇日間の安置で、ひとまず費用はどのくらいかかりますか?」
  • 伝えること①:自分の名前と故人の名前
  • 伝えること②:故人がいる場所(病院名など)と、お迎えに来てほしい旨
  • 伝えること③:連絡先の電話番号

この段階では、「この電話で、その葬儀社に全てを依頼すると決めたわけではない」という意識を持つことが重要です。まずはご遺体の搬送と安置だけをお願いし、その間に他の葬儀社と比較検討する時間を作ることも可能です。

はい、必ず聞くべきです。遠慮は一切不要です。むしろ、内訳についての質問を面倒くさがったり、曖昧な答え方をしたりする担当者は、信頼できないと判断すべきです。

【特に詳しく聞くべき項目】

  • 「〇〇一式」となっている項目:「この一式には、具体的に何が含まれているのですか?」
  • 数量が変動する項目:「ドライアイスが1日増えたら、いくら追加になりますか?」「会葬礼状が10枚増えたら、いくらですか?」
  • オプション項目:「この『〇〇』という項目は、必ずつけなければいけないものですか?外すことはできますか?」
  • 見積もりに含まれていない費用:「この見積もりの他に、最終的に支払う可能性のある費用は何がありますか?」

納得できるまで、一つひとつ丁寧に確認することが、後々の「こんなはずではなかった」という後悔を防ぎます。

葬儀の準備では、「故人の愛用していた〇〇を一緒に棺に入れてあげたい」「遠方の親戚が来られるよう、急遽日程を一日ずらしたい」といった、急な要望が出てくることはよくあります。信頼できる葬儀社や担当者であれば、可能な限り、遺族の急な要望にも柔軟に対応しようと努力してくれます。

【対応力を見極めるポイント】

●最初の相談段階での対応
こちらの質問や相談に対して、マニュアル通りの回答だけでなく、親身になって代替案などを考えてくれるか。

●できないことは「できない」と正直に言うか
何でも「できます」と安請け合いするのではなく、物理的に無理なことや、慣習上好ましくないことについては、その理由をきちんと説明した上で「できません」と言ってくれるか。こうした姿勢から、その葬儀社の「対応力」や「誠実さ」をある程度推し量ることができます。

「請求額が見積もりと全然違う」「担当者の対応が不誠実だった」など、残念ながら葬儀に関するトラブルは存在します。万一、トラブルに直面した場合は、一人で抱え込まず、以下のステップで対応しましょう。

【トラブル発生時の対応ステップ】

●まずは葬儀社と話し合う
担当者ではなく、その上司や責任者と話し合いの場を設けます。感情的にならず、契約書や見積書などの客観的な資料を基に、「契約内容とここが違う」「この説明は受けていない」と、具体的に問題を指摘します。話し合いの内容は、必ず記録(録音やメモ)に残しましょう。

●第三者機関に相談する
当事者間での解決が難しい場合は、ためらわずに専門の相談機関に連絡してください。

  • 消費生活センター(消費者ホットライン「188」):契約トラブルに関する相談に乗ってくれます。
  • 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の消費者相談:業界団体として、葬儀に関する苦情や相談を受け付けています。
  • JECIA(ジェシア)葬儀相談:経済産業省認可の葬儀社格付機関。トラブルに関する相談も受け付けています。

【トラブルを避けるために】
契約前の段階で、「万一、何か問題があった場合の責任者の方のお名前と連絡先を教えていただけますか?」と確認しておくことも、悪質な業者を牽制する上で有効です。

はい、ほとんどの葬儀社が24時間365日対応しています。人の死は、時を選びません。深夜や早朝であっても、病院や警察からご遺体のお迎え(搬送)に駆けつけてくれる体制を整えているのが、プロの葬儀社です。

【注意点】

●電話対応の質
深夜に電話した際の対応は、その葬儀社の質を見極める一つの指標になります。丁寧で落ち着いた対応をしてくれるか、こちらの動揺に寄り添ってくれるかなどを確認しましょう。

●相談と依頼の区別
深夜の電話は、まずご遺体の搬送依頼が目的になります。その電話で葬儀全体の契約を急かされてしまうと感じた場合は、一度「搬送と安置だけお願いします。打ち合わせは明日、家族と相談してから改めてお願いします」と伝え、即決を避けましょう。

はい、もちろんです。これが葬儀社が最初に行う、最も重要な役割の一つです。病院で亡くなった場合、長時間ご遺体を霊安室に安置しておくことはできません。医師から死亡診断書を受け取ったら、速やかに葬儀社に連絡し、寝台車でお迎えに来てもらう必要があります。

【病院で亡くなった場合の一般的な流れ】

  • 医師による死亡確認・死亡診断書の受け取り
  • ご遺体を病院の霊安室へ移送
  • 葬儀社へ連絡(ご遺体の搬送を依頼) この時、病院名、お迎えに行く時間、ご遺体の安置先(自宅、斎場など)を伝えます。
  • 葬儀社の寝台車が病院に到着
  • 安置先へ搬送

病院によっては、提携している葬儀社を紹介されることがありますが、その葬儀社に必ず依頼しなければならない義務は一切ありません。あらかじめご自身で調べておいた葬儀社に連絡するのが理想です。

はい、可能です。住み慣れた自宅で、家族水入らずで最後の夜をゆっくりと過ごすことは、何よりの供養になります。

【自宅安置の条件と注意点】

●ご遺体を安置するスペースがあるか
故人が普段使っていたベッドやお布団に安置するのが一般的です。その周りに、枕飾りなどを置くスペースも必要です。

●室温の管理ができるか
ご遺体を適切に保つため、ドライアイスなどによる保冷処置を行いますが、部屋のエアコンを使い、室温を低く(18℃以下が目安)保つことが重要です。

●近隣への配慮
マンションなどの集合住宅の場合、管理規約でご遺体の搬入について定められている場合があります。念のため確認しておくと安心です。エレベーターにご遺体を乗せる際は、ストレッチャーを立てる必要があるため、トランクのついた特殊なストレッチャーを使用します。

●弔問客への対応
自宅に安置した場合、親戚や近所の方がお線香をあげに訪れることがあります。その対応が可能かどうかも考慮しましょう。スペースの問題や、夏の暑い時期、火葬まで日数が空いてしまう場合などは、無理せず、後述する安置施設を利用するのが安心です。

住宅事情などにより自宅での安置が難しい場合に、葬儀社が手配してくれる専用の安置施設を利用します。

▼主な安置施設の種類

施設の種類 特徴 メリット・デメリット
葬儀社の自社安置施設 葬儀社が所有・管理する安置専用の施設や、斎場内にある霊安室。 【メリット】葬儀の打ち合わせなどを同じ場所で行えるため、移動の手間が少ない。
【デメリット】面会時間が限られている場合がある。
民間の遺体安置専門施設 遺体の安置と保全を専門に行う施設。近年、都市部で増加している。 【メリット】24時間面会可能など、柔軟な対応が期待できる。個別でゆっくりお別れできる部屋がある。
【デメリット】葬儀を行う斎場とは別の場所になるため、移動が必要。

【費用について】

施設利用料は、1日あたり1万円〜3万円が相場です。火葬場の混雑などで安置日数が長引くと、その分費用がかさみます。最初の見積もりの段階で、1日あたりの料金と、何日分の料金が含まれているかを確認しておきましょう。

エンバーミングとは、ご遺体に殺菌・消毒・防腐・修復などの処置を施し、長期間、安全かつ衛生的に保つための特殊な技術です。必ずしも必要な処置ではありません。

【エンバーミングを検討するケース】

●火葬まで1週間以上など、日数が長く空いてしまう場合
ドライアイスだけでは保全が難しくなるため、エンバーミングを行うことで、きれいな状態を保つことができます。

●海外への搬送や、災害時など
法的な要請や、特殊な状況下で必要となる場合があります。

●故人のお顔を生前の元気な姿に近づけたい場合
特に生前、美容意識の高かった女性や紳士のイメージがある方の場合は、故人にとっても最後のお見送りが満足できるものになります。事故などでご遺体が損傷した場合や、闘病でやつれてしまったお顔を、より安らかで自然な表情に整えることができます。

●感染症のリスクを低減したい場合
ご遺体を殺菌・消毒することで、感染症のリスクをほぼゼロにできます。

【費用と注意点】

費用は15万円〜25万円が相場です。葬儀プランには含まれていないオプション費用です。ドライアイスでの保冷で十分な場合もあります。家族でよく話し合ってから決めましょう。遺族が「故人にきれいな姿で、安心して触れてお別れをしたい」と強く願う場合には、非常に満足度の高い処置となり得ます。